会社を辞めるときには退職届・退職願が必須です。書く内容にはこだわっても、封筒に関しては意外と見落としがちです。実は、退職届・退職願を入れる封筒にもマナーがあります。退職届・退職願の内容がしっかりしていても、封筒が礼儀にかなっていないものであれば、台無しになってしまいます。では、どのような封筒を選び、表と裏には何を書けばいいのでしょうか。退職届・退職願を手渡しする場合と郵送する場合に分けて解説します。
退職届の封筒は、何も書かないまま提出してはいけません。表面には退職届(退職願)と記載し、裏面には左下に自分の所属と氏名を明記しましょう。また、封筒の文字は黒のボールペンか万年筆を使用するのが適切です。
封筒の表には、退職届または退職願とのみ書きます。少し大きめの文字で、封筒の中央に書くようにしましょう。その際、退職願・退職届を渡す会社名や部署名、上司の名前を書く必要はありません。
裏には自分の所属と名前を書くようにしてください。書く位置は、封筒裏の下、左側です。封筒の左半分にちょうど収まるように書いていきます。
封筒に書く文字は、ボールペンまたは万年筆を使って書きます。筆ペンやマジック、サインペンは避けたほうがいいでしょう。そして、文字の色は黒にします。目立つように青や赤を使うのはNGです。
退職願・退職届は折り曲げて封筒の中に入れます。しかし、適当に折ってはいけません。折り方にも決まりがあるのです。退職願・退職届を四つ折り、二つ折りにするのはマナー違反で、三つ折りにするのが正解です。さらに、同じ三つ折りでも、巻き三つ折りにしてください。
まず、退職願・退職届の文面が内側になるように、下側3分の1を折り曲げます。そのあと、上側3分の1を被せるように折ります。退職願・退職届を折るときは、角と角を合わせて、ずれないようにしてください。定規を使うときれいに折り曲げることができるでしょう。また、退職願・退職届は公式なもの。折るときに汚れないように注意します。
退職願・退職届が折れたら、封筒に入れます。その際、適当に入れてシワがつかないようにしてください。また、入れるときは、退職願・退職届の右上の裏面が、封筒の裏面の右上と重なるようにしましょう。退職願・退職届を入れ終えたら、フラップ(フタ)を閉じます。封筒はのりづけしてもしなくても、どちらでもかまいません。ただし、のりをつけない場合でも、フラップだけは折っておきます。また、封筒にのりシールがついている場合は、のりづけしておいたほうがいいでしょう。のりづけしたときは、フラップの中央に閉じた印のマークを書くようにしてください。退職願・退職届は汚れたり、しわになったりしないように、上司に出すまでクリアファイルに保管しておきます。
封筒の色 | 白色 |
封筒のサイズ | A4は長形3号 (120×235 mm) B5は長形4号 ( 90×205 mm) |
封筒の種類 | 郵便番号欄無しの二重封筒 |
退職届・退職願を入れる封筒は、何を使用してもいいというわけではありません。封筒の色にも決まりがあるのです。ビジネスの場では、領収書や請求書などを入れるのに薄茶色の封筒が使われることがあります。しかし、退職届・退職願を入れる場合は、薄茶色の封筒はNGです。白い封筒を選ぶようにしましょう。
封筒のサイズです。退職届・退職願の用紙の大きさによって、封筒のサイズは使い分けるようにしてください。たとえば、A4サイズの用紙の場合は長形3号の封筒、A5・B5サイズの用紙の場合は長形4号の封筒を選ぶといいでしょう。ちなみに、退職届・退職願はA4サイズで書くことが多いため、封筒も長形3号が一般的です。これらの条件を満たした退職届・退職願を入れるのに適した封筒は、百円ショップでは売られているため、簡単に手に入れることができます。
用紙のサイズ | 封筒のサイズ |
A4 | 長形3号 (120×235 mm) |
B5 | 長形4号 ( 90×205 mm) |
手渡しが基本の退職届ですから、赤枠の郵便番号欄のない封筒が適しています。また、中身が透けないよう内側に紫色の薄い紙のついた二重封筒を選ぶとよいでしょう。
退職届は提出側、受け取る側の両者にとっても、非常にデリケートな書類です。こうした機密性の高い重要書類には中身が見られないように、透けない二重封筒が良いとされています。
退職届を入れる封筒はなるべくなら透けない二重封筒を選ぶようにしましょう。
基本的に退職願・退職届は、直接上司に手渡しにします。しかし、ケガや体調不良などで直接退職届を渡せない場合もあるでしょう。そんなときは、例外として、人事部または上司から「退職願・退職届を郵送してもいい」と言われることがあります。しかし、退職願・退職届を郵送することになった場合、手渡しとは異なるマナーがあるので注意してください。そこで、退職願・退職届の封筒の選び方、添え状の書き方、封筒の書き方を紹介します。
退職願・退職届を郵送する場合は、もう1つ封筒を用意したほうがいいでしょう。その理由は、退職願・退職届の封筒に直接、宛名を書かないためです。退職願・退職届の封筒を入れるための、もう一回り大きな封筒を用意するといいでしましょう。大きめのサイズの封筒にする理由は、同じぐらいのサイズの封筒だと、退職願・退職届の封筒を折り曲げて入れることになってしまうからです。また、封を開けるときに、退職願・退職届を破いてしまうかもしれません。だからといって、大きすぎる封筒を使うのも適切ではありません。
退職願・退職届が長形4号の封筒の場合は長形3号の封筒を、長形3号の封筒の場合は角形5号の封筒を選ぶとよいでしよう。
封筒の色に関しては、退職願・退職届の封筒と同様に、白色を選ぶようにしてください。それ以外の色はNGです。ただし、郵送する場合は郵便番号が必要となります。退職願・退職届の封筒と違って、無地ではなく郵便番号入りを使うといいでしょう。
郵送する際も文書を入れる封筒の書き方は手渡す時と同じです。表面に退職届を記載し、裏面左下に自分の所属と名前を書きます。
郵送する場合は、封筒の表に宛名を書きます。宛名については、部署だけでなく、人の名前も書くようにしましょう。なぜならば、部署だけだと、誰かに封を開けられるか、分からないからです。誰の名前を書けばいいのかは、人事部もしくは上司に聞きます。
そして、左下に赤ボールペンで「親展」と書き、四角で囲います。親展とは、宛名に書かれた本人以外は開けないでくださいという意味です。退職願・退職届が正式に受理されないうちに、職場内に退職の噂が広まってしまうのは良くありません。「親展」の文字を記載することによって、部署内の誰かが勝手に開けることを防ぐことができます。
封筒の裏の左下には、自分の住所と名前を書きます。そして、きちんとのりづけをして、フラップ(フタ)を閉じ、中央に閉じた印のマークを書くようにしてください。
郵送の場合は、切手を貼ってポストに投函するのでなく、郵便局に出向きます。それは、料金不足で会社に届かないという事態を防ぐためです。また、郵送する際は、「配達証明」を利用するのをおすすめします。「配達証明」とは、一般書留とした郵便物や荷物がきちんと先方に届いたかどうかを証明してくれるサービスのことです。退職願・退職届は大切なものです。このサービスを使えば、安心して郵送することができるのでおすすめです。「配達証明」を利用する場合は、基本料金・運賃と一般書留の加算料金に加えて、310円の追加料金がかかります。
郵送で送る場合は、退職願・退職届だけ入れればいいというわけではありません。必ず、添え状を入れるようにしましょう。添え状はパソコンの場合は無地のコピー用紙、手書きの場合は便箋を使用します。用紙の大きさは、B5またはA4が適切です。そして、パソコンの場合は横書き、手書きの場合は縦書きにするようにしましょう。
添え状に書く内容は、以下の例文が参考になるでしょう。この例文を基にして、自分自身の状況に合わせた文章を付け加えるといいでしょう。
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退職願(または退職届)の送付について
拝啓貴社ますますご清栄のことと存じ、お慶び申し上げます。
このたび一身上の都合により退職させて頂くこととなりました。
つきましては、同封の通り、退職願(または退職届)を提出させて頂きます。
ご査収の程よろしくお願い申し上げます。
短い間ではございましたが、大変お世話になりました。
末筆ながら 貴社のご発展をお祈り申し上げます。
敬具
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添え状を書き終えたから、封筒に入れますが、そのとき、添え状を上に、退職願・退職届を下になるようにしてください。添え状を上にすることで、退職願・退職届の文字が透けて見えることを防ぐこともできます。
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