退職の挨拶のポイントは?スピーチ・メールのマナーを紹介

退職の挨拶のポイントは?スピーチ・メールのマナーを紹介

転職などの理由で、会社を辞めるときには「退職の挨拶」が非常に重要です。退職の挨拶は最終出社に近くなった際、お世話になった人たちを中心に済ませておきましょう。

「どうせ会社を辞めるのだから挨拶をする必要はない」と考える人もいるでしょう。また、会社に不満があって辞めるときはなおさら、挨拶をしにくい心理が働きがちです。

しかし、後味の悪い辞め方をすると、次の職場へとスムーズに気持ちが切り替えられません。それに、元の職場ともいつ接点ができるかわからないので、最後の最後でトラブルの火種を残さないようにするのが賢明です。次の職場で前職の会社の人とつないでほしいといわれることはよくある話です。

この記事では、退職挨拶をメールで送ったり、スピーチをしたりする場合の注意点について解説していきます。

退職挨拶を送る前に

会社を辞める際、ありがちなトラブルが「あなたが退職するという情報が全体への情報開示前に伝わってしまうこと」です。

退職が開示される前の順序は、まず直属の上司に退職の意思を伝えることから始めます。そして、引き継ぎの日程などを打ち合わせたうえで、いつ情報を開示するか上司の判断をあおぎましょう。本人が退職挨拶をする前に、上司から退職の報告が自部署やほかの部署に開示されます。挨拶は、開示を待ってからまわるようにしましょう。

上司が開示していないにもかかわらず、退職メールを投げ、上司の方にほかの部署や取引先から問い合わせが来るといったことは避けましょう。退職を知らない社員はパニックになってしまいますし、上司に対しても失礼にあたります。

退職挨拶メールを上司や社内に送る

引き継ぎの段取りが決まり、退職挨拶メールを社内や上司に書く場合には注意が必要です。

パソコンの返却タイミングを知っておく

まず、パソコンが返却されるタイミングを先取ることが肝心です。退職が決まった社員のパソコンは会社に返し、初期化してもらわなくてはいけません。しかし、パソコンがなくなれば挨拶メールは送れなくなってしまいます。

挨拶メールを送るタイミングは最終日の早いタイミング

返却の直前ではなく、最終日の早い段階で送るようにしましょう。返却直前だと相手が返信しても届かないということもありえます。また、本人と関わりが薄かった人からすると、メールが送られて初めて退職を知ることになります。すると、せっかく挨拶に来てくれたとしても、すでに会社を去った後になってしまう恐れが出てきます。

退職挨拶メールの文章は事前に考えておく

また、気心の知れた同僚相手でも文章は十分に考えて作成しましょう。愚痴や不満を書くのは厳禁です。まだ、会社に残って働く人たちを不快にさせかねません。そのうえ、「退職の挨拶」という本来の目的からもかけ離れてしまいます。挨拶メールではあくまでも、お世話になったお礼と今後の連絡先などを簡単に書くようにしましょう。さらに、お世話になった人や自分の部署の人に対しては、個別に連絡をするのが得策です。メールだけでは伝えられない思いは、直接会って話をするといいでしょう。

退職挨拶メールを取引先・社外に送る

社外への退職挨拶メールは余裕をもって

取引先や社外に退職挨拶メールを送る場合は退職日から余裕をもって送りましょう。社外の人たちは同僚と違い、頻繁に顔を合わせるケースはあまりありません。

退職直前にメールを送ってしまうと、相手からの返信や挨拶に対応しきれず、取引先によっては会社やあなたのイメージを損なう危険があるからです。とはいえ、あまりにも挨拶メールを早く送りすぎると、「退職の連絡が来たのにまだ在籍している」と怪訝に思われてしまいます。挨拶メールは最終出社日のおよそ2週間前に送るようにしましょう。

お世話になった取引先には引継ぎ担当とともに直接挨拶

お世話になった会社にはなるべく直接挨拶するのが礼儀です。引き継ぎもかねて、後任の同僚と一緒に挨拶しにいけるよう日程を調整しましょう。ただし、もし時間が合わないなどで挨拶にうかがえない場合は後任の連絡先をメールに記しておくととりあえずの引き継ぎにはなります。そして、メールだけではなく時間があるなら電話で自分の退職について取引先に報告しておくとすれ違いを防げます。このとき、退職するとはいえ、元の会社や後任の悪口を社外に話さないのが最低限のルールです。

社外の人に退職メールを送る例文

退職する際、社外の人宛てに挨拶のメールを送ろうと考える人も多いでしょう。ここでは、社外に送る退職挨拶メールの例文を紹介します。社内宛、社外宛では送るメールの内容も異なるので注意しましょう。

社外の人への退職メール例文

メールタイトル:退職のご挨拶:〇〇株式会社××××(自分の名前)

本文:
株式会社〇〇 ××××(担当者の名前)様

いつも大変お世話になっております。〇〇株式会社の××××(自分の名前)です。

私事で大変恐縮ですが、一身上の都合により〇月〇日をもって〇〇株式会社を退職することになりました。
担当者の××様には、在職中何かとお力添えをいただき誠にありがとうございました。
本来であれば直接ご挨拶をすべきところ、メールでの挨拶になりましたことをお詫び申し上げます。

今後の貴社の後任はメールのCCに入っておりますXXが担当させていただきます。
今後はXXよりご連絡させていただきますので、変わらぬお付き合いの程どうぞよろしくお願いいたします。

最後になりましたが、貴社のご発展と担当者の名前様のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

社外の人へ退職メールを送る際のポイント

社外の人へ退職の挨拶メールを送る際は、5つのポイントに気をつけましょう。

「最終出社日を記載する」

一般的に、社内への退職挨拶は最終日に済ませるものですが、社外に向けたメールの場合は後任への引き継ぎを考慮して2~3週間前には送っておくべきです。最終出社日を記載し、いつから後任と代わるのかを前もって伝えておきましょう。

「後任の名前・連絡先を記載する」

後任の情報がない場合、先方が不安に感じる場合があります。後任のほうから一度挨拶に行かせるか、直接挨拶に行くのが難しい場合はメールで連絡をさせるなどの段取りをしておきましょう。

「在職中お世話になったことを記載する」

特に、個人宛に送る場合は、その人に助けてもらったエピソードなどを記載して、改めて感謝の気持ちを伝えるようにするといいでしょう。

「直接挨拶できない場合は、直接挨拶できず申し訳ないという一文を添える」

退職などの節目となる挨拶は、本来であれば直接会ってするのがマナーとされています。しかしながら、現在ではメールのみでやり取りする場合も多く、また、遠方などの事情で会いに行くことが難しい場合もあり、一概にマナー違反とは言えなくなりました。とはいえ、この一文を添えておけば本来であれば直接挨拶をしたかった気持ちが伝わり、より丁寧な印象になるでしょう。

締め言葉

相手や相手の会社の活躍を祈る気持ちを込め、「貴社のご発展と担当者の名前様のご活躍を心よりお祈り申し上げます」などと締めるのが一般的です。

社外への退職メールはどこまで送る?

社外メールを送るときに気になるのが、どの範囲まで送ればいいのかということでしょう。退職挨拶のメールの場合は、社内・社外問わず、お世話になった人には送っておくといいでしょう。直接やり取りをしていた担当でなくても、お世話になったと感じる人には感謝の気持ちを伝える意味でも挨拶をしておくべきです。

しかしながら、相手が目上の人の場合は、メールで挨拶を済ませることに抵抗があるかもしれません。それでも、直接挨拶に行けない場合はメールでの挨拶の非礼を詫び、退職の旨を報告するといいでしょう。なぜなら、次の職場でも同業界で働く場合や営業職として働く場合は、今後もなんらかのタイミングで取引ややり取りが発生する可能性があるからです。挨拶を疎かにしたせいで今後の関係にヒビが入らないよう、しっかりと対応しておくことが大切です。

退職挨拶のメール例文

社内に送る退職挨拶メールの例文をご紹介します。自身の役職や立場、社風などによっても文章は変わりますが、基本的なポイントは例文で押さえてありますので、内容に困ったら参考にしてみてください。

メールタイトル

退職の挨拶:名前

メール本文

~課のみなさま、お疲れさまです。

~課の~です。

このたび、一身上の都合により退社いたします。今日が最終出社日となります。

在籍中は大変お世話になりました。

みなさまからあたたかくご指導いただき、本当にありがとうございました。

この会社で学んだことを次の職場でも活かしたいと思っています。

私の今後の連絡先を以下に記しておきますので、今後ともみなさまとつながりを持てたら幸いです。

メールアドレス

電話番号

以上、簡単ではございましたが、貴社の今後の益々の発展を心よりお祈り申し上げます。

これまで、本当にありがとうございました。

ポイント

退職理由は具体的に書かない

細かい退職理由は書くのは避けましょう。あまりにも理由を掘り下げてしまうと、会社に対してネガティブな文章になり、同僚に失礼です。また、長文になりすぎないことも大切です。どうしても伝えたい内容はなるべく直接や電話や後日プライベートで話すのが賢明でしょう。そして、会社の悪口を書かずにビジネスメールとしての体裁を保った内容にしましょう。

BCCにアドレスを入れて一斉送信するのが一般的

なお、送信方法は同じ内容を一斉送信でもかまいません。もしも個別に送ったほうがいい人がいるときだけ、別の文章を用意しておきます。

一斉送信する場合で他の部署の方にも一斉に送る場合は、「お疲れ様です」や「お世話になった皆様」など書き出しを変えるといいでしょう。送信をする前に、隅々まで推敲しておくようにしましょう。なお、一斉送信の場合は、BCCに先方アドレスを、Toに自分のアドレスを入れるのがマナーです。CCにアドレスを入れて、大勢にアドレスがさらされる状態にならないよう気をつけましょう。

退職挨拶(スピーチ)の場合

場合によっては、最終出社日に大人数の前でスピーチをしなくてはいけないときもあります。即興で内容を考えると緊張してうまく話せなくなったり、要点がまとまっていない話になったりしがちです。事前にスピーチ内容を考えておき、なおかつ注意点もしっかりと意識しましょう。

感謝を伝え、長く話しすぎない

もしもスピーチをするなら、「感謝を伝える」のが第一です。また、自分にとっては退社の日でも、ほかの同僚にとっては通常営業です。長くなりすぎず、仕事に支障をきたさないように配慮しましょう。

なお、なるべく堅苦しくなりすぎないような挨拶を心掛けることも重要です。もしも深い内容を話したいのであれば、スピーチではなく個別に「話したい人」へ向けるようにしましょう。そして、「今後の皆様の活躍を祈っています」のように前向きな言葉でしめるのが定番です。

そのほか、話し方にも気を使いたいところです。せっかく最後の挨拶になるわけですから、その場にいる人全員に聞いてもらえる工夫をします。後ろのほうまで聞こえるように堂々と、ゆっくり話すことを意識します。不安があるなら、前日までに原稿を用意して予行演習を重ねておくのが得策です。ただし、本番では原稿を取り出して読むのは避けましょう。

退職挨拶の構成

朝礼や終礼などで、自分の部や課の人達の前で退職の挨拶をする場面があるかもしれません。その際の退職挨拶の構成としては、退職の旨を報告し、「〇月〇日をもって退職いたします」や「本日をもって退職いたします」など最終出勤日を伝えましょう。上司が立ち会っている場合はその上司とのエピソードや、その場に集まっている同僚とのエピソード、印象に残っていることなどを話しつつ、感謝の気持ちを伝えます。「もしまたお仕事する機会があればよろしくお願いします」と付け加えるのもいいでしょう。大切なのは、しっかりとこれまでお世話になったお礼を伝えることです。最後に良い印象を残すためにも、全体を通してポジティブな内容で終わるよう意識しましょう。

退職挨拶スピーチ例

退職挨拶の構成を踏まえたスピーチ例です。あまり長くなりすぎないよう、30~60秒を目安に簡潔にまとめましょう。スピーチなので、それほど堅苦しくなる必要はありません。

スピーチ例

本日をもちまして、一身上の都合により退職させていただくことになりました。
至らぬ点ばかりでご迷惑をおかけしましたが、今日までやってこれたのは一重にみなさまの温かいご指導のおかげです。

なかでも、〇〇課長にはXXプロジェクトの際に遅くまでMTGに付き合っていただき、数々のアドバイスをいただきました。結果として大成功を収めることができ、自信につながる経験となりました。〇〇課長、本当にありがとうございました。また、〇〇課のみなさんも、いつも支えていただきありがとうございました。

この会社で積んだ経験を糧として、今後に活かしてまいります。最後になりますが、今後の皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。ありがとうございました。

退職挨拶NG例

次の職場の話は避ける

「次は〇〇でXXをします」のように、あえて次の職場に言及する必要はありません。特に、退職する会社への不満につながるような内容は、残される同僚の心情も考えて避けるべきです。

ネガティブな内容や不満は避ける

堅苦しくなる必要はないとはいえ、最低限のマナーは守る必要があります。退職のスピーチにふさわしくないとされているのは、ネガティブな内容です。たとえば、フランクなスピーチの場とはいえ、「〇〇さんのことが嫌いでした」や「〇〇さんとは最後まで馬が合いませんでした」などと、特定の相手との確執について触れるのは避けましょう。公の場で相手を非難するのはマナー違反です。退職するあなたとは異なり、相手はこれからも同じ職場で働き続けるため、配慮を忘れないようにしましょう。

また、特定の人物や会社の慣習について、スピーチの場で「〇〇のようなことはやめたほうがいいと思います」と不満を言うのも望ましくありません。どうしても伝えたい改善点がある場合には担当者に個別に伝えるか、個人的な内容は個人に伝えるようにしましょう。相手の気持ちを考慮することはもちろんですが、こうしたマナー違反によってあなたの印象が悪くなる可能性があります。また、不満を吐き出して一時的にすっきりするかもしれませんが、後から思い悩んでしまうかもしれません。社会にいる以上、どんなきっかけで再び相手とつながるかはわからないので、悪い印象が残らないよう注意しましょう。

定年退職の挨拶例

定年退職の場合は、これまでの感謝と定年後の生活について触れるといいでしょう。「私事で恐縮ですが、〇月〇日をもって、約〇年間勤めた会社を定年退職することになりました。在職中は温かいご指導と励ましの言葉をありがとうございました。〇年間、無事に勤めてこれたのも皆様のご指導のおかげです。今後はしばらく療養し、第2の人生として〇〇を始めたいと思っています。どうかこれからもお元気で活躍してください。本当にありがとうございました」などが挨拶例です。

結婚・出産を機に退職する場合の挨拶例

結婚・出産で職場を離れる場合は、結婚・出産の報告と共に職場を去ることの名残惜しさを伝えるといいでしょう。「誠に勝手ではありますが、〇月〇日をもって、結婚(出産)を機に退職させていただくことになりました。今の私があるのは、みなさまの温かいご指導のおかげです。居心地のよいこの職場を離れるのは誠に残念ですが、これからは妻(母)として家庭を支えていきたいと思います。みなさまに優しくしていただいたことは決して忘れません。今後も陰ながら、みなさまの益々のご活躍をお祈りしています。本当にありがとうございました」などが挨拶例です。

退職挨拶メールに返信は必要?

退職挨拶メールを受け取っても必ず返信する必要はない

自分が退職挨拶メールを送る場合だけでなく、受け取った場合の対処についても知っておきましょう。ちなみに、退職挨拶メールは必ずしも返信しなくていい内容です。しかし、お世話になったり、仲が良かったりする同僚からのメールなら返信しても失礼にはなりません。むしろ、名残惜しさを伝えられますし、本人にも喜んでもらえます。

退職理由・転職先などは聞かない

ただし、メールで細かく転職理由、転職先を聞かないのが礼儀です。たとえば、日系企業から外資系企業に転職する人に「自分も外資系企業に興味があるので転職活動について詳しく教えてほしい」と深い質問を退職挨拶メールでしても迷惑になりかねません。退職日は意外とやることがたくさんあるため、すぐに返信はできませんし、PCの返却などで返信ができないこともあります。どうしても聞きたい点があるなら、直接時間をとってもらい、プライバシーに触れない範囲で質問しましょう。

感謝を伝え、なるべく質問はしない

挨拶メールの返信では、質問よりも「感謝」を心掛けます。具体的なエピソードや相手の長所などをまじえて、「ありがとうございました」とはっきり書いてあげましょう。もしも親しい相手であれば、返信とあわせて直接話にいくのもひとつの方法です。最終出社日では時間の余裕がない可能性もあるので長話は禁物ですが、一言、二言、思いを伝える程度であれば邪魔にはならないでしょう。

退職挨拶メールに丁寧な返信を書くと、相手に「この人とは付き合いを続けたい」と思ってもらえます。プライベートの交流だけでなく、今後、仕事面でも接点が生まれるチャンスとなります。もし業務に余裕があれば挨拶メールに返信をするといいでしょう。

退職の際のお菓子などを選ぶポイント

感謝の気持ちを伝えるため、退職時の手土産としてお菓子を持参する人が増えています。お菓子を用意する場合には、個別包装のものを選ぶようにしましょう。ホールケーキや果物などは包丁で切り分ける必要があるうえ、お皿やフォークなどの用意も必要になります。また、切り分けた時点で食べてしまう必要があるため、出張中や休みの日であったりと、タイミングによっては食べられない人が出てくるかもしれません。手間や衛生面を考えても、個別包装なら安心です。

みんなに行き渡るよう、賞味期限にも注意しましょう。匂いが強いもの、噛んだときに大きな音が出るもの、好みが極端にわかれそうなものも避けたほうが無難です。人数が多い場合は、1個あたりの単価が安いものを選ぶといいでしょう。1人あたり100~150円程度として、30人ほどの職場であれば3000~5000円くらいの範囲が相場です。なお、特にお世話になった人やチームに対しては、別のものを購入してもいいでしょう。

お菓子を配るのは退職日ですがなるべく時間に余裕をもって配り始めましょう。人数が多い場合はそれぞれの人と一言ずつ話をしているとあっという間に1時間、2時間経過してしまいます。お菓子を配っていたら定時を過ぎてしまい、挨拶をしたい人が帰ってしまい、最後の挨拶ができなかった、退職手続きができず、次の日に自分のチームの人に任せることになってしまったということがないように時間配分に余裕をもって行動するようにしましょう。

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