【税理士監修】履歴書に扶養家族はどう書く?

履歴書に扶養家族はどう書く?

日本語で履歴書を書く場合には、扶養家族や配偶者の扶養義務などについて書く欄があります。学生時代には特に気にすることもなかったかもしれませんが、結婚をしてから転職活動をする場合には、この欄を記入しなければなりません。

履歴書の扶養家族欄にはどのように書けばいいのでしょうか?そもそもどういった要件を満たせば扶養家族といえるのでしょうか?扶養家族という制度の意味や役割をこの記事で紹介します。

扶養家族とは?扶養家族の意味は

扶養家族とは、収入を得ることができる人が主に経済面で援助している家族の構成員と定義できます。「扶養」とは、自力で生活するに足る経済力がない存在に何らかの援助(主に経済面)を与えることです。たとえば、家族の中であなたが主な収入を得る存在であるとします。生活を共にする家族にその経済力を分け与えることを「扶養」と呼ぶのです。このとき、その経済力の助けを必要とする家族のメンバーが「扶養家族」となります。家計収入の大部分を支える存在を「一家の大黒柱」と表現することがありますが、その大黒柱に養われている親兄弟や子どもたちが扶養家族です。

なお、扶養家族になるかならないかは、同居の有無は関係ありません。生活するために必要なお金の出どころが同じ財布かどうかが重要なポイントです。また、同じ扶養家族という言葉を使っていても、税法上の意味と健康保険法上の意味が若干違います。入社すると複数の書類に扶養家族について記載しますが、記入する際にはどちらの意味が問われているかをよく確認するようにしましょう。ちなみに、この記事のテーマである履歴書に扶養家族を記載する理由は、企業側が所得税や社会保険料を計算する際に必要な情報となるためです。

健康保険における扶養家族とは

健康保険制度上の扶養家族関連語として覚えておいたほうがよいものが2つあります。自分本人のことを指す「被保険者」と、扶養家族のことを指す「被扶養者」です。要するに、前者は収入の中から保険料を収めている人のことで、後者はその恩恵を受けている家族のことです。扶養家族の数を履歴書に書く場合は、以下の条件にあてはまる、配偶者以外の被扶養者の人数の合計を書きましょう。

被扶養者の要件

被扶養者の要件としては、内縁を含む配偶者と子があります。また、孫、兄弟姉妹、父母等の直系親族も対象とされます。被保険者との関係がこの範囲であれば、諸事情があり別居していても被扶養者として認められます。なお、被保険者と同居している場合は、より広い範囲まで認められ、祖父母、甥、姪など3親等以内の親族、内縁の配偶者の父母、連れ子も対象とされます。

収入面での要件

収入面の要件としては、60歳を境に2つに分けられています。被扶養者が59歳以下なら年間の収入が130万円未満であること、または60歳以上または障害年金支給者の場合は年間収入180万円未満となっています。さらに、同居の場合と別居の場合の違いにも注意しましょう。同居している場合は被保険者の年間収入における2分の1未満で被扶養者とみなされます。別居の場合は、年間収入が被保険者の仕送りより少ないときが対象になります。

所得税法における扶養家族とは

所得税や住民税を算定する基礎になる税法上では、扶養家族のことを「扶養親族」と呼びます。扶養親族は、次の4つの要件を満たしている必要があります。

1. 対象者の要件:親族であれば、配偶者以外の6親等内の血族または3親等内の姻族であることが必要

また親族でなくても、里子(都道府県知事から養育を委託された児童)や、市町村から養護を委託された老人にも対象資格があります。

2. 納税者と同じ生計のもとに生活している

この条件は、同居しているという意味ではありません。たとえば、納税者としての親から仕送りで生活している子どもも含みます。

3. 扶養親族となる人の年間の合計所得金額は38万円以下

4. 青色申告者の事業専従者として給与を受けとっていないか、または白色申告者の事業専従者でない

なお、配偶者は、税法上の控除制度で別に扱われるため、扶養親族には含まれず、所得控除額の計算をするときに「配偶者控除」が適用されます。「扶養控除」という別の区分で処理されます。

扶養家族の条件例

ここで、扶養家族数と配偶者の扶養義務がどうなるのか、履歴書への記載の仕方も含めて4つの具体例について見てみましょう。

例:専業主婦の妻と子どもがいる場合

子どもが2人(長男と長女)いる場合、妻にも子どもにも収入がないとすれば、配偶者欄は「有」、配偶者の扶養義務欄は「有」、扶養家族数欄は「2」になります。もし、長男が働いていて年収が130万円以上になると社会保険の扶養から外れるため、この場合の扶養家族数欄は「1」です。

例:妻が働いていて、年収130万円未満で、子どもが1人の場合

妻が収入を得ていても年収条件内にあるため扶養義務が発生します。そのため、配偶者欄は「有」、配偶者の扶養義務欄は「有」になり、扶養家族数欄は「1」となります。

例:妻が年収130万円以上を得ている場合

子どもが2人(長男と長女)いる場合、2人とも収入がないとすれば、配偶者欄は「有」、配偶者の扶養義務欄は「無」になり、扶養家族数欄は「2」になります。この例で、もし長男も長女も収入を得ており、ともに社会保険加入者であれば、同居していても社会保険の扶養から外れるため、扶養家族数欄は「0」です。

夫婦がともに働いていて子供を扶養する場合、将来継続的にみて原則収入が多い方の扶養とします。複数の子供がいる場合、父母で分けて扶養することは健康保険法で認められていないため、収入の多い方の親が子供全員を扶養することになります。

例:親族の扶養を考える場合

父親と同居しており、その年収が150万円で、自分の年収が500万円の家庭があったとします。父親が同一の生計の範囲内であっても、年齢によって条件が異なってきます。健康保険法上では、59歳以下なら年間の収入が130万円を超えているため、扶養対象にはなりません。一方で、60歳以上または障害年金支給者の場合は年間収入180万円未満が条件なので、扶養家族として認められます。

また、この例では同居しているので「被保険者の年間収入における2分の1未満」という条件があるのですが、この点もクリアしているので扶養家族として問題はありません。居住条件が変わって、別居しているとなると「年間収入が被保険者の仕送りより少ないときが対象」となります。そのため、この例では父親に対しての生活費の援助額が150万円以上でないと扶養家族にはなれません。

配偶者とは

配偶者とは、婚姻関係にある人のことです。一般的には夫や妻のことを指します。より正確にいえば、夫は「男性配偶者」で、妻は「女性配偶者」といいます。履歴書の配偶者記載欄には、婚姻関係にある相手がいれば「有」、独身や離婚の場合など、配偶者がいなければ「無」に丸印をしましょう。

また、履歴書記載上の婚姻関係には証明できれば事実婚も含みます。この点は、税法と健康保険法では解釈が異なるので注意が必要です。税法上では、内縁関係や事実婚の場合は配偶者とみなされないため、配偶者控除などの配偶者についての規定は適用されません。

一方で、健康保険での配偶者の定義には、戸籍上の配偶者と同様に、事実婚・内縁関係の配偶者(戸籍上の婚姻届がなくとも、事実上婚姻関係と同様の人)も含まれます。

配偶者の扶養義務とは

履歴書には「配偶者の扶養義務」欄への記入が必要なものもあります。具体的には次の2つの条件でその有無を判断しましょう。

  • 1つ目は、納税者と生計を一にしていること。
  • 2つ目は、配偶者の年間の収入が130万円以下であること。

これらの条件は、社会保険の扶養家族の条件と同様で、条件を満たせば配偶者の扶養義務があることになり、「配偶者の扶養義務」欄は、「有」となります。一方で、配偶者が働いていて、その年収が130万円を超えるため自分で社会保険に加入している場合は、扶養義務がないことになり、扶養義務欄は、「無」となります。

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