シナジーの意味は?ビジネスでどう使われる?(2)
シナジー効果を生み出す方法
企業がシナジー効果を生み出すには部署間、または企業間同士での協働や合同が必要です。主なものとして4つの方法があります。
1. 業務提携
業務提携は、異なる技術や商品を持つ企業同士が事業を提携することによって、技術開発や営業販路を共有、拡大し、お互いの経営課題の解決を目指すことを指します。アライアンスとも言われています。
例えば、取引先企業から人材紹介を求められた会社が人材紹介会社と連携することで、取引先企業との課題解決が可能となります。また人材紹介会社は今までアプローチできなかった新しい販路を得ることができるようになります。
業務提携によって市場での競争力を強化とともに企業価値を高め、シナジー効果を生み出すことができます。
2. M&A
M&Aは、スケールメリットや新規事業への参入、節税効果などを狙った企業の買収・合併のことを言います。
買収した企業は時間や必要以上の費用をかけずに事業を行うことができ、買収された企業も事業継承や発展、企業の存続といったメリットがあります。
上記のように財務的にも有益で、売り上げアップやリスク分散、スケールメリットによる仕入れコスト削減による財務力の向上などのシナジー効果を狙うことができます。
3. 多角化戦略
多角化戦略は、主力事業とは別の分野に進出することです。大手IT企業が自動運転や音声アシスタントといった主力事業とは別の分野に進出するといった具合です。売上や収益向上などでシナジーを目指すものが多く見受けられます。
多角化戦略は以下の4タイプにわけられます。
水平型多角化戦略
水平型多角化戦略は自社の技術を活かし、主力事業と似た市場に進出することを言います。例えば車メーカーがバイクやトラックを製造する。家電メーカーでラジオを作っていた企業がテレビ、スマートフォン事業に進出するといった具合です。
垂直型多角化戦略
垂直型多角化戦略は主力事業と似た市場に進出することを言いますが、水平型との違いは、自社の技術とはあまり関係しないということです。例えばペット用トイレを販売していた会社がペット用ケージを販売するといった具合です。
また家電の部品生産や組み立て・販売を複数社に依頼していたものを、販売の上流から下流まで自社1社で担うことも含みます。
集中型多角化戦略
集中型多角化戦略は自社の技術を活かし、異なる市場へ進出することを言います。代表例としてはカメラメーカーがレンズの技術を活かし、医療用カメラの開発をし医療機器市場への進出、地図アプリケーションを開発した企業がカーナビ市場に進出するといった具合です。
集成型多角化戦略
集成型多角化戦略は新しい商品を新しい市場へ進出することを言います。動画を主軸にしていた企業が英会話やゲーム市場に進出、コンビニエンスストアがATMを置き銀行業務へ進出するのがこの例です。企業にとって全く新しい商品を新しい市場へ進出することになるため、ハイリスクハイリターンの戦略と言えます。
4. グループ一体経営
グループ一体経営は、複数のグループ会社を持つ比較的大きな企業が、共通業務をまとめることによって顧客への利便性向上、システム統合によるコスト削減などを行い、経営を簡略化することを言います。
コスト(経費)削減のシナジー効果だけでなく、共通のニーズを持つ顧客へアプローチの強化やノウハウの集約からの収益最大化などのシナジー効果も期待できます。
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