企業同士の業務提携や経営統合に関する発表会見のニュースなどで「シナジー」という言葉が使われることがあります。また、会見などの公式な場だけではなく、会議やプレゼンの場でも使用されることがある言葉です。「シナジー」は、たとえば、「シナジーを狙う」「シナジーをもたらす」などの表現で使用されますが、実際にどのような意味を持っているのかご存知でしょうか。日常生活のなかではあまり使うことがない言葉でも仕事で耳にすることがある用語はきちんと知っておくことが必要です。この記事では、ビジネスの場で使用される「シナジー」の意味について具体例を交えながら、解説します。
外資系企業や日系グローバル企業で使用されることの多い、ビジネス英語。英語を活かした転職をご検討の方はキャリアコンサルタントに相談するのもおすすめです。自分では気づかないような強みやスキルを、キャリアコンサルタントと話すことで整理できるかもしれません。
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「シナジー」は、英語の「synergy」のことで、もともとは、「ものや事柄、人などが複数存在することで、お互いに作用し合い、効果や機能を高めること」を意味します。特に、ビジネスの場で登場することが多く、使用される際には、ほとんどの場合、「シナジー効果」を意味していることが一般的です。本来、「シナジー」は薬学や生理学、生物学分野において専門用語として使用されている言葉でしたが、ビジネスシーンで「相乗作用」を意味する言葉として一般化されています。
シナジー効果の前提はWIN-WINの関係です。双方にとって有益なものでなければいけません。シナジー効果とは、複数で協力し合うことにより、単体で行うよりもいい効果が得られる状態で、いわゆる相乗効果を指します。このような意味で使用される主なシーンは、たとえば、普段別々の業務を行っている部署同士が協力し合って、1つの目的に向けた業務を行うときです。さらに、異なる複数の企業が1つの事業を行うときなども同様の意味で使われます。
<例文>
「シナジー効果」と相反する言葉に「アナジー効果」があります。シナジー効果が相乗効果の意味を持つのに対して、アナジー効果はマイナスのシナジー効果を意味する言葉です。2つの言葉は真逆の意味を持っていますが、どちらも、その言葉に行きつく前のスタートラインは同じ場所にあります。そもそも相乗効果を求めて取った行動が、結果としてうまく働けばシナジー効果となり、うまくいかなければアナジー効果と表現されるからです。たとえば、別々に仕事をしていたときにはそれぞれで10の結果を出していた2つの部署が協力し合い、1つの業務に取り組んだ場合、20を超える結果を出すことができればシナジー効果となります。対して、協力し合って取り組んだ結果、20に行き届かない状態であるとアナジー効果となるのです。
<例文>
シナジー効果には大きく4つのメリットがあります。
複数の企業が同じ場所で販売をしていたり、同じルートで商品などを運んでいたりする場合でも、通常であれば、企業ごとに配送作業を行います。しかし、流通経路や顧客が同じであることを利用して、異なった企業が協力し合い共同で運搬作業を行えば、人件費や配送にかかるコストを下げることが可能です。
協力する相手企業が持つ得意先も自社の顧客にすることができるからです。たとえば、関東を拠点に営業を行っている企業と、関西を主軸として活動している企業が業務提携をすれば、関東と関西の両エリアに得意先が持てるようになります。また、得意先拡大に向け新たな層の取得をしたい場合には、新しく取り込みたい層を得意とする企業と協力することで、参入しやすくなる点も魅力です。
新事業をスタートさせるときや、新しいシステムを導入する際には、専門的な知識と経験を持った人材、ノウハウを集めることが必要となります。しかし、シナジー効果を活用し、一から自社ですべてを用意せず、求めるノウハウや人材を既に持っている企業と協力すれば、情報や人材収集にかける時間を省くことが可能です。
加えて、お互いに必要なリソースを出し合うことにより、ノウハウやナレッジも共有することができるでしょう。これも4つ目のメリットとして挙げられます。
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