厚生労働省が発表している日本全体の有効求人倍率は1.45倍、東京では2.06倍で(平成29年3月分)、東京では1人の求職者に対し2つ以上の求人があるというバブル末期ぶりの人材不足が続いています。人手不足が深刻なことは兼ねてからメディアでも報じられていますが、特に不足しているのは専門分野での実務経験・資格を持つ「スペシャリスト」です。
また、グローバル化の進む市場では英語力への要求度も高まり「バイリンガル・スペシャリスト」に対する需要は過去最高レベルに達しています。専門性が高く英語が話せる求職者1人に対する求人は上述の有効求人倍率の数倍にまで昇っています。
少子高齢化による労働人口減少の影響を受けてこの傾向はさらに強まると想定され、企業の採用活動には女性・外国人・シニアの活躍推進、副業・フリーランスといった多様な働き方などを含む広義での「ダイバーシティ」の受け入れが一層求められていくことでしょう。
女性管理職比率によって企業を評価する女性活躍推進法などを受けて「女性を活用する」という短絡的な措置だけが一人歩きしているという指摘をよく耳にします。減り続ける労働力を補うために女性の採用を積極的に増やすことは正しい選択ですが、それだけでは女性活用を持続可能にするのに十分な措置とは言えないのかもしれません。
働き手である女性、そのパートナーや家族、そして雇用主。三者それぞれの工夫と熱意が必要です。例えば、男性と女性が家事、育児、介護を均等に担う。女性と男性に均等なチャンスとサポートを提供し、女性が自分が管理職に就くこととその道筋をイメージしやすい企業風土を作るなど。制度の充実化に先駆けて、女性とその周囲のマインドセットを少しずつ変える努力から歩み出してみるのも効果がありそうです。
ダイバーシティ経営を推進したい企業には、先ず採用時の書類審査の際に履歴書などの応募書類の見方を少し変えてみることをお勧めします。学歴・職歴ともに同じような女性と男性がいた場合は女性でなく男性が選ばれる傾向があると言われています。在籍した大学の名前や企業名だけでなく、企業や大学で何を学び、何を得てきたのか。何ができる人なのかを「中身」まで理解した上で判断することが重要です。
外国人などの高度人材を採用したい場合などは、耳にしたことがないスタートアップ企業や海外の大学でも、調べてみたり、面接や人材紹介会社とのコミュニケーションを通じて確認をしてみましょう。
女性の場合は育児のための数年のブランクが経歴書で分かると採用審査で不利になる傾向があります。介護でも同様です。転職時の採用審査で何社目か、前職は正社員だったか否か、就労ブランクは無いかなどの条件で採用/不採用を決めてしまうのは、もったいないですし、ダイバーシティ経営からも遠ざかってしまいます。
採用時のちょっとした工夫が、相応しいスキルと知識を持った人材を配置する「適材適所の人材活用」を叶えることにつながるでしょう。
優秀なグローバル人材をお探しですか?
お電話またはこちらからご相談下さい。 経験豊富なキャリアコンサルタントが最適な人材を紹介します。
人口の減少と高齢化により、多くの産業で労働力不足が進行している日本。 2023年の有効求人倍率は平均で1.31倍となっており、優秀な人材の採用がますます困難になっています。 その中でも、日本は特にグローバル人材不足という課題も抱えており、国民の英語力の低さや留学者数の減少により希少なグローバル人材の獲得競争が加速する状況に。 このような状況を踏まえ、企業が高い知識と語学力を兼ね備えたグローバル人材を獲得するためにはどのようなポイントを押さえるべきなのでしょうか。 以下の資料をダウンロードして、貴社の採用戦略のヒントにご活用ください。 ダウンロードはこちら
もっと読む採用審査では、面接での結果が決定打になることが多いでしょう。しかし、在宅勤務のときなど、対面での面接ができない場合もあります。候補者を会社に呼んで直接面接するのに代えて、オンライン通話システムで面接をすることもできます。このように、採用審査のプロセスのなかには、デジタル化できるものが複数あります。採用審査の流れを詳しく紐解いてみることで、普段は当たり前だと思っていたプロセスを効率化できるだけでなく、より迅速に進められるかもしれません。求人を素早く広告する、応募の中から候補者を絞り込む、企業ブランディングも同時に叶える――。この記事では、採用担当者のあなたが、対面での面接ができない時期にも、リモ
もっと読む企業にとって、人材を採用する際の悩みの種は、カルチャーフィットする人材を採用するのか?それとも多様な人材を採用するのか?ということにあるのではないでしょうか? 社風があっていて、価値観を共有できる人材の採用は、自動的に高いパフォーマンスをもたらすのでしょうか?それとも、多様な人材がもたらす影響はより企業へ利益をもたらすのでしょうか? ロバート・ウォルターズでは、 採用担当者 Pernod Ricardとのパネルディスカッションで、これらの疑問を探りました。 調査結果と業界の知見からわかったこと スキルセット、性別、年齢などの面で多様な従業員がいれば、「同じようなチーム」ではなくなるため、より革
もっと読むダイバーシティに富んだグローバルチームの一員になりませんか?当社では、新卒入社の社員から経験豊富なリクルーターまで、個性豊かな社員が活躍しています。