最終面接は一次面接・二次面接と違い、質問する内容や雰囲気をガラッと変えてくる企業も多いでしょう。なぜなら、本当に企業に必要な人材かどうかを見極めるために面接官も人事部の担当者ではなく、社長や役員クラスが行うケースがあるからです。このように社長や役員が行う最終面接は、新卒採用だけでなく、転職などの中途採用でも活用されることがあります。現場社員や人事部の人からは問題ないと考えられていても、最終面接で社長や役員から難しいと思われてしまえば、内定を得ることはできません。受験者にとって最終面接は、まさに勝負どころと言えるでしょう。この記事では、最終面接を通過するためのポイントと一次面接・二次面接の違いを解説していきます。
面接を受ける企業によって違いはあるものの、一次面接・二次面接の場合は、その企業の人事担当者や配属先の上司となる人が面接官になるケースが多いです。しかし、最終面接だけは、社長や役員が面接官になるケースもあります。なぜ企業はこのような形をとるのでしょうか。
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最終面接は主に上記2点を確認するために行われます。役員と現場感覚でずれがないかを確認し、企業にとって本当に必要な人物なのかを見極めます。
社長や役員はトップとして企業の存続と成長にかかわる仕事をしているため、人事担当者や面接官との評価基準に違いがあるかもしれません。こうしたミスマッチを防ぐために、社長や役員から見ても、本当に企業に必要な人間かどうかを見極めるための最後の確認として最終面接が行われます。
最終面接は企業にとっての最終チェックとも言えますが、これは応募者にとっても同じことが言えます。疑問点や懸念点を払拭する最後の機会になるため、事前に質問したい項目を準備しておくのも大切です。
一次面接では持ち時間が短い為、一般的なビジネスマナーやコミュニケーション能力を見られていることが多く、二次面接では、性格や価値観、能力など企業とのマッチ度を見られていることが多いです。一方で最終面接は価値観や能力についての程度をはかろうとしています。
一次面接や二次面接で確認した求職者のスキルが、どの程度のものなのかを最終面接では特にチェックされます。そのため、より一層自分の長所や短所、価値観などを明確にアピールする必要があるのです。
最終面接の所要時間は企業にとって異なります。入社意欲の確認が目的の場合は10分~20分程度の場合も少なくありません。一方で、面接が進むにつれて応募者の数が絞られているため、1人の面接に1時間以上を費やす会社も存在します。企業によって最終面接の目的も異なるので、所要時間の長短で気を病む必要はありません。
最終面接の時期は、採用予定人数や応募人数、方針などが企業によっても異なるため明確な基準はありません。また転職採用では、活動スタート時期も人によって大きく異なります。そのため最終面接の時期について、深く考える必要は無さそうです。
最終面接の通過率は50%程度と言われることもありますが、企業によって大きく異なります。気を緩めずに、しっかりと対策を行いましょう。転職エージェントを利用している方はエージェントに最終面接は意思確認程度の面接かどうか確認し、しっかりとそれに応じて対策することが大切でしょう。
最終面接は確認として形式だけ行うものではありません。最後の最後でも、選考に落ちてしまう可能性は十分にあります。成功をするためにも、最終面接で失敗してしまう人の傾向も理解しておきましょう。
自分の価値観を十二分に伝えることが最終面接では特に重要です。
今までの面接を通過していることから、すでに企業からはある程度の評価を受けています。企業理念や社風にもマッチしており、スキルも貢献できる可能性があるからこそ、最終面接へと呼ばれています。
しかし他の候補者と比べて、アピールが弱いと落ちてしまう可能性が高くなります。
最終面接では、会社についての経営的な視点でのコミュニケーションも増えます。その中で、企業研究の甘さはすぐに見破られてしまうでしょう。こうしたリサーチ不足から、入社への熱意を疑われる可能性もあります。
入社意欲を伝えきれるように、しっかりと準備しておくことが大切です。
最終面接は社長や役員といった、企業の中心人物ともいえる人たちが面接を務めます。そのため、相性が良く、しっかりとコミュニケーションが取れるというのは非常に重要です。
社長や役員が面接者の場合、緊張してしまうこともあるかもしれません。しかしここで委縮してしまい、上手くコミュニケーションがとれないと、最終面接で失敗する可能性が高まります。
雰囲気よく、しっかりとコミュニケーションが取れるように心がけましょう。
最終面接へ臨む前に、上記の4点を確認しておきましょう。ではそれぞれ詳しく解説します。
志望動機を入念に確認しておきます。特に、最終面接では、「なぜこの企業に入りたいのか?」を入念にチェックされます。また今までの選考を経て変化した部分についても言及できるようにしておくと良いでしょう。
採用担当者の説明や現場担当者の話を聞く中で、「入社意欲がますます上がった」のか、それとも「違った視点が生まれた」のかを明確にし、言語化できるようにしておきましょう。
最終面接の前に、改めて企業研究に努めましょう。志望動機と企業における取り組みへのズレがないかを確認するのはもちろんのこと、入社意欲を感じられるような逆質問をするためにも欠かせません。
また応募時と比べて、情報が更新されていることもあるため、しっかりとチェックし最新情報を頭に入れておくのが大切です。最終面接に挑む前に志望企業に関する書籍やインターネットに掲載されている記事などを読み込むのもおすすめです。
最終面接では書籍やインターネット上の記事などにも載っていないことを聞くチャンスです。その企業に勤める人物にしかわからないようなことを聞くのがいいでしょう。
その企業のSNS、取材記事などをチェックしておけば、その企業が持つ特徴や価値観を知ることができるでしょう。
キャリアプランや今後の展望を聞かれやすいのも最終面接の特徴です。どのようなイメージをもって入社を考えているのかは、その後の就業意欲にも関係するものです。しっかりと答えられるように自分の中でキャリアを棚卸し、将来についても考えておく必要があります。
最終面接でキャリアプランを聞かれた時の回答例はこちら
最終面接での逆質問は特に重要です。「特にありません」という回答は絶対に避けましょう。
また一般的に言われている面接対策のように、ただ疑問に思ったことを質問するのも避けましょう。企業理念や会社説明で聞けるような内容を逆質問してしまうと、マイナスな印象を与えかねません。
最終面接における逆質問の具体例はこちら
役員や社長などの経営にかかわる人たちが最終面接官だった場合、自分を雇うことによって企業にどのような利益があるのかを伝えることがポイントです。企業の会社員として働くということは、言われたことをこなすだけでなく、その企業の利益に貢献できる人材でなければなりません。ですから、役員や社長はどれだけあなたを雇うことで利益が上がるのかを考えて採用します。なぜ応募先の企業で働きたいのかという理由や具体的に何をしたいのか、それによってどのような利益につながるのかといった視点で質問される可能性が高いので、それに対してしっかりと説明できるようにしておきましょう。
一次面接・二次面接とは異なり、最終面接では矛盾点を指摘されることがあります。このようなときは焦らず、自分の意見をしっかりと伝えることが大切です。特に専門分野の場合、実際は経営陣があなたのことをしっかりと理解したいという意図で指摘しているケースもあるので、本当は矛盾していない可能性もあります。
企業によっては故意に圧迫面接を行うようにしているケースもあるでしょう。最終面接のときに圧迫的で意地悪な質問をされたら、相手の立場で考え、冷静さを失わないようにするのが重要です。実際に採用されて仕事を行うことになれば、自分の考えや意見が全て通ることはないでしょうし、上司や先輩たちから厳しい指摘を受ける可能性もあります。指摘や圧迫的な質問を受けたときにどのような対応をするかなど、人間性も含めて見られている可能性もあるので、焦ったり、気分を悪くしたりしないように自分なりの回答をしっかり述べましょう。
企業に働いている人からの紹介や現場で採用決定権がある場合、一次面接・二次面接を行わずに最初から最終面接ということもあります。最初から最終面接だったとしても指摘を受けたり、圧迫面接になる可能性もあるので、しっかりと対応できるように準備しておくことが大切です。
ここからは、最終面接で聞かれることが多い質問の紹介と、それに対してのよい返答例、悪い返答例を説明していきます。
キャリアプランとは、今後の仕事に対しての計画のことをいいますが、たとえば何歳までに何をするのか、どのような役職に就きたいのかといった内容です。
自分のキャリアプランに対して述べることができなければ、企業側としても途中で辞められてしまうのではないか、就職をゴールと考えているのではないかといったさまざまな不安を抱いてしまうでしょう。キャリアプランは短く抽象的になってしまうと、説得力に欠けます。なるべく具体的に伝えられるように事前確認しておきましょう。
良い回答例 | 「入社後は、家電販売員として接客スキルを磨くことに力を注ぎ、接客以外にもレイアウトのスキルも身につけたいと考えています、 そして御社では、店長を3年間経験すれば、複数の店舗を管轄するエリアマネージャーの道が開かれているため、 入社後は、まず配属された店舗で店長を目指し、30代後半ではエリアマネージャーとしてエリアを統括できる人間になりたいと考えています」 |
NG回答例 |
「お客様からも職場の人間からも信頼される社員になりたいと考えています」 「30歳までに結婚してマイホームを持ちたいと考えています」 |
回答する際のポイント
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質問の意図
会社のイメージがどのようなものか知りたい時は、こうした質問をします。また「一次面接や二次面接を経て、印象に変化はあったのか?」など、会社へのイメージを単純に知りたい場合もあります。
良い回答例 | 「御社は無駄を徹底的になくし、効率的に仕事を行っている印象を受けます。 これは、御社の企業理念である時代に合わせた柔軟な働き方の考えが社員全員に浸透しているからだと考えています。 私自身も時代の流れが早く、競争が激しくなった現代社会では無駄をなくし、 効率的に仕事を行っていくことが重要だと考えています。御社の印象や企業理念が自身の考えと合っていたので、入社試験に応募しました」 |
NG回答例 |
「御社の社員はとてもイキイキしており、社内全体が活気で溢れている印象を受けました」 「自由でフラットな職場という印象を受けました」 |
回答する際のポイント
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質問の意図
仕事に対する意欲やコミュニケーション能力、価値観などといった応募者のモチベーションを図っています。また価値観を知ることで、ミスマッチにならないかを判断する意味合いも含んでいます
良い回答例 | 「仕事をするうえで大切にしていることは思いやりの心です、なぜなら、仕事は自分1人で行うものではなく、 上司や先輩、同僚、お客様といった多くの人達と関わりながら行っていくので、 思いやりの心がなければ満足する結果が得られないと考えているからです」 |
NG回答例 |
「仕事中は仕事に関係のない話はしないことです」 |
回答する際のポイント
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質問意図
最終面接では特に「なぜ当社なのか?」を知ろうと多角的に質問をする傾向にあります。役員や社長である場合は、自社への愛着は当然強いため、どこに魅力を感じているのかを明確に伝えられるようにしましょう。企業規模や給与などの待遇といった点ではなく、企業理念や社風といった、その企業独自のものを理由として挙げられると良いでしょう。
しかし魅力を感じるポイントを伝えようとするあまり、他社の批判などを含む答えをしてしまうのはNGです。
良い回答例 | 「御社の経営理念でもある顧客目線に共感したからです。 その他の企業でも顧客目線を掲げているものの、徹底したユーザーインタビューの実施など、 御社では特に高いレベルでその理念が徹底されています」 |
NG回答例 |
「御社と比べて、○○社では顧客目線を感じられず、サービスの質が悪いと感じたからです」 |
回答する際のポイント
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質問の意図
営業、技術など目指す職種での最終目標を回答しがちですが、最終面接では経営者目線を意識しましょう。個人だけでなく、会社全体の成長を考えられる人材かを判断する意図が含まれているのがこの質問の特徴だからです。この質問へは、個人的主観ではなく経営者目線で長期的に業界を分析、成長できるポイントや業界動向を踏まえ、俯瞰した目線での回答が必要です。
良い回答例 | 「現職で培ったノウハウを活かしてECサイト経由での売り上げ増加、また新たな販売形態の模索を行いたいです。 店頭販売が90%を超えていたこの業界も、ここ数年でユーザーの利用ニーズがECサイトに変わっていきました。 店舗販売に比べ市場規模が巨大なEC販売へさらに力を入れることで御社の製品の売り上げは格段に増えると考えております。 また、次世代の販売形態を常に模索することで時代の流れに乗り遅れない企業を作り上げたいと考えています。」 |
NG回答例 |
「入社後数年間は、営業として業界を深堀する事、新たな顧客を獲得する事に注力したいと考えています。 その後身に付けた経験を活かして、まだ見ぬ新商品を技術職と連携して開発することが私の実現したい事です。」 |
回答する際のポイント
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質問の意図
成果を得るために努力ができるのか、またどのようなプロセスで成果を上げたのかという点を理解する為の質問になります。また、あわせて自社でどのように活躍するのかという、イメージを企業側は持つことができます。
良い回答例 | 「商品開発プロジェクトリーダーとして営業部、技術部の製販両グループをマネジメントし、 新商品開発を達成できたことです。2年をかけて業界動向のヒアリングを行い、顧客が困っている点、欲しいメリットのデータをまとめ上げました。 その後そのデータを参考に技術部と協議し1年半をかけて競合他社にもない商品を発売することが出来ました」 |
NG回答例 |
「社長賞を頂きました」 「対前年120%の営業成績を達成しました」 |
回答する際のポイント
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質問の意図
応募者の志望度と入社時期の確認を探るのが質問の意図です。志望度が高い場合、「すぐにでも入社できます」と発言しがちですが、在職中の場合は回答に注意しましょう。現職の引継ぎや退職までの期間を加味せずに回答すると、責任感の無さやマナーの欠如が見受けられマイナス評価に繋がることも考えられます。
また、入社日の交渉も慎重に行いましょう。あまりにも入社までの期間が空いてしまう場合は志望度を疑われるだけでなく、より志望度の高い応募者へ内定が出てしまうこともあり得ます。自分の希望だけでなく最短入社日についても考えておき、複数の選択肢を提示できるようにしましょう。
良い回答例 | 「現職を〇月〇日に退職予定ですので、最短で◇月◇日には就業可能です。 ただ、もし可能であれば、引継ぎと転居を含めた準備期間として、退職後1ヶ月程度お時間をいただきたいと考えております」 |
NG回答例 |
「4か月後を希望します。」 「すぐにでも入社可能です。」 |
回答する際のポイント
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最近の面接の現場では、逆質問に時間を割く企業が増えているようです。時間が余ったり、面接官が逆質問を重視したりする場合もあるので、逆質問はひとつではなく複数、できれば3つか4つ程度用意しておいた方が安心です。
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最終面接において、面接官はコミュニケーションをとりたいと思っています。そのために重要なのが逆質問です。「特にありません」で終わらせることなく、しっかりと回答できるようにしていきましょう。
意気込みが感じられる質問は好感が得られるでしょう。またイエスかノーの二択で答えられるような質問にならないように気を付けましょう。
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