自動運転技術の発展・適用が2020年・2035年を目処に段階的に進んでいくため、それにあわせて専門領域のエンジニアのニーズが増えていくでしょう。検知・自動ブレーキなどのカメラシステム、レーダー、ウルトラソニックなどを扱えるソフトウェアエンジニアの人材需要は今後さらに高まっていくことが予想されます。電気エンジニアも同様に増加傾向にあり、機械エンジニアは前年比ほぼ横ばいで、引き合いは依然として強い傾向にあります。
プログラミングなどシステム周りを担える人材、特に30~45歳の若手~中堅層への引き合いが強まっています。ロボット開発、アルゴリズム開発などの経験を持つ他分野からの若手人材の受け入れも広がっています。また、ソフトウェアエンジニアを中心に、インド、中国、ドイツなどからの外国人人材を採用する動きも従来以上に広がっています。
自動車分野の好調を受けて外資系の対日ビジネス拡大が進んでおり増員も含めて、営業職のニーズが伸びています。全体的に昨年に比べて給与増の傾向にあり、技術職では平均10%、最大20%ほど転職時の給与水準が上がっています。営業職では平均10%、特に優秀な候補者の場合は最大15%転職時の給与水準が上がっています。セールスディレクター、エンジニアリングディレクターなどのシニア職では最大20%、自動車分野、特に先進運転支援システム(ADAS)、テレマティクス、電気/ハイブリット自動車の経験が豊かなエンジニアは給与の更なる伸びが見込まれます。
以下給与調査2018より抜粋(給与調査2018では別の職種・業種の給与も掲載しています。)
セールスディレクター / エンジニアリングディレクター:1,300 - 1,800万円
プロジェクトマネジャー / プログラムマネジャー:800 - 1,200万円
工場自動化(FA)、ロボット、電子部品・機器、メカトロニクス、産業用機器への需要が伸びたことによる市場全体の好調を受けて、外資系メーカーは日本で更なる成長を遂げており、各社が日本市場に投下する予算も増えています。その結果、製造業一般の採用数も増えています。FAへの国内需要が伸び、多くの企業ではインダストリアル IoT(IIoT)、工業用ネットワークシステムなどの次世代技術の導入を進めています。その結果、2017年は大手企業と新規参入者の両方で日英バイリンガルの電気技師、機械技術者、ソフトウェアエンジニア、営業人材の積極的な採用が見られました。他社との人材獲得競争を有利に進め、優秀な人材を採用するために給与額・職位・勤務地に対する候補者の希望を柔軟に聞き受ける企業が増えています。人材不足により優秀なバイリンガル技術者は転職活動中に複数の会社から内定を受け、転職時の給与額も10~20%ほど前職に比べて上がっています。技術職では、日本語に堪能な外国人人材の採用に積極的な企業も増えています。女性活躍推進法の浸透により、女性活用についても積極的な動きが見られます。中小企業では技術職に女性を従来よりも積極的に採用する傾向が見られる一方で、日本市場での歴史が長い大手外資系メーカーでは役員の女性比率を上げる目的からシニア職に女性を採用する企業も増えています。こうした企業努力が多く見られるようになった一方で、製造業で要求されるスキルセットを満たす女性が少なく供給量が足りていません。
以下給与調査2018より抜粋(給与調査2018では別の職種・業種の給与も掲載しています。)
セールスマネジャー:900 - 1,500万円
アプリケーション / デザインエンジニア:650 - 1,250万円
関西でも工場自動化(FA)事業、3D プリンター事業、電子部品メーカーなどで同様の傾向が見られています。日系企業の海外営業部では英語力を補強するために、正社員登用を見込んで、若いバイリンガル人材を契約・派遣社員の雇用形態でポテンシャル採用する動きが広まっています。
以下給与調査2018より抜粋(給与調査2018では別の職種・業種の給与も掲載しています。)
セールスマネジャー:700 - 1,200万円
デザインエンジニア:500 - 900万円
電気自動車(EV車) の進展にともない、化学業界では電子部品のR&Dニーズが伸び続けています。日本は自動車業界の主要国で科学技術分野の人材育成拠点でもあるため、国内 OEMと各社が扱うバッテリー製品に注目が集まっています。国内・外資系企業各社の業績も好調で、バッテリー製品に携わる営業・マーケティング部門の採用が活発です。
自動車・電子部品会社では、アジア圏の成長とともにグローバル化が進むにつれて国内でスペックイン活動を担う営業職の採用が増えています。IoTの普及を受けて急速な需要増が見られる半導体用の電子部品、チップなどの分野でも、人材採用が活発です。軽量化の目的で、自動車・航空機部品に利用が進むエンジニアリングプラスチック(エンプラ)分野もビジネスの更なる成長と需要増を受け、R&D技術開発職、テクニカルサービス職、営業職、マーケティング職で積極的な人事採用が見られます。この分野の成長は、IoTに加えて東京五輪やサッカーのワールドカップを目前にテレビの買い替え需要の高まりやウェアラブル端末の開発が進んでいることにも関係しています。
化粧品業界、栄養補助/機能性食品業界も高齢化などが牽引して成長を続けているため営業スペシャリストの需要が高まっています。医薬品原料、栄養補助/機能性食品の需要は安定、化粧品原料の需要は伸び続けています。技術系の資格・経験を持つ優秀な外国人人材の採用が昨年に続いて伸びているほか、外資系中小企業による国内化学市場への新規参入も相次いでいます。
優秀な人材を求める企業間での人材獲得競争下で、年功序列型の給与形態から脱却して競争力の高い給与額を提示する企業が増えています。優秀な営業人材の場合は転職時の給与額が前職に比べて最大30%上がっており、テクニカルサービス職では最大20%上がっています。
以下給与調査2018より抜粋(給与調査2018では別の職種・業種の給与も掲載しています。)
R&Dマネジャー:800 - 1,500万円
テクニカルサービス:500 - 1,000万円
セールス&マーケティングエグゼクティブ:600 - 1,300万円
2017年のエネルギー分野は構造改革と電力自由化の影響で大きな変化を迎えました。
太陽光・風力発電分野では開発者の需要が非常に高く、太陽光発電事業・プロジェクトは営業/買収/初期の建設・オペレーションといった開発期から後期の建設・オペレーション/メンテナンスの稼動期に移っています。この変化を受けて、施設のメンテナンス・修繕が重要視され営業人材の採用は落ち着きました。土木施工管理技師、電気工事士、電気主任技術者の資格を有する土木・電気エンジニアの需要が大幅に伸びています。エネルギー分野の慢性的な人材不足を受けて、再生可能エネルギー各社を中心に業界以外からシニアレベルのスタッフを採用するなど、要件の柔軟化が散見されます。社内の技術・知見が発達したことを理由に、他業界から採用して入社後の研修で必要な内容を補う企業もあります。再生可能エネルギーの発電所は僻地にありますが、現地で優秀な人材を確保するのは難しいのが現状です。その結果、50~60代の経験豊富なシニア人材をサイトマネジャー/エンジニアに据えて、複数の施設の運用管理業務を任せるケースが多くなっています。
従来型エネルギー分野では、火力発電所のメンテナンス・改装ニーズを受けて営業職、技術職の採用が一定数見られました。原子力発電所関連の方向性が定まらないなか、火力発電所では環境配慮・省力化需要の伸びを受けてプラント機器・部品サプライヤー各社の採用数が多くなりました。その一方で、再生可能エネルギー各社も、こうした従来型エネルギー分野の人材を積極的に採用しました。
2018年は中小企業の参入が続くことが予想されるほか、エネルギー小売事業、エネルギー貯蔵技術、環境ビジネスの成長が見込まれます。契約・派遣働き方改革の一環で有給消化・残業削減を推進する関西圏の企業が増えている影響で、労働力補完の目的から契約・派遣社員の求人が増えています。
以下給与調査2018より抜粋(給与調査2018では別の職種・業種の給与も掲載しています。)
フィールドサービスエンジニア:500 - 900万円
プロジェクトマネジャー:900 - 1,600万円
製造 自動車 自動運転、コネクテッドカーなど技術の進化が期待される自動車分野では、コンポーネント/テストを担うソフトウェアエンジニア、電気エンジニアの採用が活発で、当社で扱う求人数、採用成立件数ともに当社開業以来最高の水準に達しています。2018年は自動車関連メーカーの多くが自社に開発担当者を据えはじめ、同時にサプライヤーが完成車メーカーにオンサイトエンジニアを常駐させる動きも広がっています。また大手メーカー各社がサプライヤーの見直しを進めたことにより1次サプライヤーでは営業体制を強化する動きが見られ、営業スペシャリスト、新規開拓(ビジネスデベロップメント)スペシャリストの採用が増えています。
もっと読むバイリンガルの人材獲得スペシャリストの不足が続き、特にジュニアからミドルレベルの人材需要が高まりました。特にプロフェッショナルサービス、IT、ヘルスケア分野でこの傾向が強く、2017年も採用担当者不足が続くでしょう。 戦略的人事を担うHRBP(ヒューマンリソース・ビジネスパートナー)やゼネラリスト、ジュニアレベルの給与スペシャリスト、ミドルからシニアレベルの報酬・福利厚生マネージャーの求人が多く、2016年は転職者の給与水準が 5 ~15%上昇しました。 バイリンガルの人事プロフェッショナルの需要が強まるなか全ての専門分野で深刻な人材不足が発生しており、この傾向は 2017年も続くと予想されま
もっと読む優秀な人材を採用するため、「エグゼクティブサーチ」を利用する企業が増えています。エグゼクティブサーチとは、企業の経営幹部など重要なポジションを担える人材をピンポイントで探し出す採用の手法のこと。今回は、エグゼクティブサーチが適している採用の目的や、エグゼクティブサーチの特徴、一般的な人材紹介との違いなどを解説します。 エグゼクティブサーチ とは ? エグゼクティブサーチとは、企業の経営に関わる経営幹部職(エグゼクティブレベル、「C-Level」人材)を採用する際に用いられる手法の一つで、優秀な人材をピンポイントで探し出す採用手法です。また、法務・会計などの高度な専門スキルを有したスペシャリスト
もっと読むダイバーシティに富んだグローバルチームの一員になりませんか?当社では、新卒入社の社員から経験豊富なリクルーターまで、個性豊かな社員が活躍しています。