近年、「HRテック」と呼ばれる人事・人材分野における技術やサービスの導入が、世界的に進んでいます。クラウドやビッグデータ活用によって、業務の効率化が進むことで、人事の仕事は、管理業務から、有能な人材の獲得など経営戦略に基づくものへとシフトしていくようになります。まもなく訪れる「AIとの協働時代」に備えてHRテック時代に求められる人事には、経営戦略とデータ活用を押さえながら、経営戦略立案に積極的に関わるなど、戦略的な役割を担うことが期待されています。
「HRテック」とは、人材・人事(HR:Human Resources)と技術(Technology)を組み合わせた造語です。イノベーションが起こりづらかった人事領域にも、クラウドやAI、ビッグデータなどのテクノロジーを活用し、業務の効率化を図る企業が世界的に増えてきています。HRテックが導入される業務は、求人・採用管理から勤怠管理、給与計算、社会保険手続き、従業員のスキルを活かす人材配置や人材育成まで多岐に渡ります。
それでは、HRテックの導入が進むと、人事の役割と業務はどのように変化するのでしょうか。これまで、人事の時間とリソースの多くは、受身形の管理業務に費やされてきました。例えば、評価プロセスの策定や運用、従業員満足度調査の実施と集計、従業員の法的な問題への対処、欠員が出たポジションへの人材配置の検討などです。しかし、HRテックの導入でこれらの業務は大きく変わります。最新のオックスフォード大学の調査では、これらの管理業務は2035年までに90%が自動化されるとの予測が出ています。
自動化により、人事部門の仕事はなくなるのでしょうか?主流の見方はそうではありません。むしろ、自動化と省力化の恩恵を受けて、人事部門は、組織全体の戦略に沿った重要な業務に時間とリソースを集中できるようになると考えられています。
HRテックの導入の結果、人事部門に求められるのは、より経営戦略に基づく人事戦略の立案です。これからの人事には、「企業がどこへ向かっているのか」という経営戦略全体の方向感の理解と、経営戦略立案と実施へのより深いコミットメントが求められます。
外的要因を理解するとともに、自社の経営資源をどのように配分するのか、課題はどこにあるのか、それらの議論に精通した上で、自社の優位性、訴えるべきメッセージなどを定義することが求められるでしょう。
経営層が決定した経営戦略から降りてくる人事の業務を遂行するだけでは十分ではなく、人材確保や組織づくりの観点から、経営戦略を議論する段階から積極的に関与・提言するケースも増えてくるでしょう。
また、人事はデータ戦略のプロになることも求められます。データを集めるだけでは意味がなく、これからの人事は、経営戦略に沿って「何のために・どのようにデータを集めるのか」、「収集したデータを活用して、どのように意思決定を改善し、従業員を理解し、業務を最適化していくか」といった一連の「データ戦略」の立案に深く携わることになります。
具体的には、人事部門は、パフォーマンス・レビュー(能力ベースの評価プラットフォーム)の活用、人材開発、従業員のエンゲージメント&生産性の向上、ダイバーシティ経営の実現、人材採用などに注力できるようになります。
経営戦略を実現するような優れた人材を確保するには、ポテンシャル人材の確保と育成だけでは十分でありません。スキルや経験に加え、その組織で活躍できる人材を外部から確保する必要があります。
そういった時に、どのような人材が経営戦略を実現するために必要なのか、どのような組織が優れたパフォーマンスを発揮できるのかを相談できる長期的なパートナーが求められてくるでしょう。
会社の人事担当者とともに「人」と向き合い、求められるスキルセットと経験を見極め、そして会社のビジョンや文化にマッチして入社後活躍できる人材を共に探す存在として、ロバート・ウォルターズは、人事担当者のパートナーであり続けたいと思っています。
製造 自動車 自動運転、コネクテッドカーなど技術の進化が期待される自動車分野では、コンポーネント/テストを担うソフトウェアエンジニア、電気エンジニアの採用が活発で、当社で扱う求人数、採用成立件数ともに当社開業以来最高の水準に達しています。2018年は自動車関連メーカーの多くが自社に開発担当者を据えはじめ、同時にサプライヤーが完成車メーカーにオンサイトエンジニアを常駐させる動きも広がっています。また大手メーカー各社がサプライヤーの見直しを進めたことにより1次サプライヤーでは営業体制を強化する動きが見られ、営業スペシャリスト、新規開拓(ビジネスデベロップメント)スペシャリストの採用が増えています。
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