少子高齢化による労働力人口減少のため人材不足が懸念され、企業は優秀な人材の確保に不安を感じています。働き方の多様化が進む昨今、企業は採用競争力を強化する必要があるでしょう。
この記事では、育児休業の取得推進が採用戦略としても有効であることを解説します。
日本では、まだ多くの家庭で、家事・育児などの負担が女性に偏りがちなのが現状です。男性と女性の育児休業(以下:育休)の取得率について、弊社の調査では「妊娠後も就業を継続し育休を取得した」と回答した女性は、外資系企業で72%、日系企業で66%だったのに対し、男性は外資系企業で17%、日系企業では11%に留まっています。「育休を取得しなかった」と回答した女性会社員の理由では「退職した」が61%と最も多く、この結果から、女性は妊娠もしくは出産を機に、何らかの理由で退職をする人が多いと言えます。男性の育休取得率は、厚生労働省の2021年発表の調査では初めて1割を超え上昇傾向にはあるものの、女性への育児負担への偏りがあることがうかがえます。
育休取得を推進することは、従業員側のメリットが大きいというイメージを持たれがちですが、実際には企業にもメリットがあると言えるでしょう。
主な企業側のメリット:
育休の取得率向上は、企業側にもメリットがあることが分かりました。
弊社の調査では育休を取得しなかった男性の中には「育休制度がなかった」、「取得しにくい職場の雰囲気」を理由にあげた人が多く、女性の育休取得者には、職場復帰後に「転職した」人や、「意図せずに違う職務についた」人も一定数いることが分かりました。このような問題を避けるためにも、企業には従業員が安心して育休を取得できる環境作りが求められます。
実際に企業ができる環境作りとして、下記があります。
新型コロナウイルス感染拡大により、働き方改革が進む今、上記のような取り組みはより一層重要になってきています。また、育休取得推進に取り組みやすい環境が整い、変化を受け入れるチャンスの時でもあります。
今後、少子高齢化によって、生産年齢人口とともに労働力人口が減少していくことを考えれば、すべての企業にとって、育児と仕事の両立を望む人だけではなく、あらゆる立場の人が働きやすい環境を作っていくことが重要となります。それこそが優秀な人材の確保を可能にしていくでしょう。
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