採用・転職市場動向2026:テック&トランスフォーメーション(東日本)
ITベンダー業界:ミドル・ミッドシニア人材の採用強化
ITベンダー業界は、AIやその他の新興技術の進化、地政学的な不確実性、そしてサステナビリティへの関心の高まりを背景に、大きな変革期を迎えています。日本が高齢化社会を迎える中、企業は高度な技術スキルやバイリンガル能力、職種ごとの高い専門知識を持つ人材を確保する必要があります。
2025年前半は採用活動が低調でしたが、日本への新規参入企業の影響もあり、後半から求人件数が増加しました。ジュニアレベルのデータアナリストやソフトウェア開発者の採用は減少傾向にある一方、プリセールスエンジニア、テクニカルサポート、プロジェクトマネージャー、AIおよびソリューションアーキテクトといったポジションへの需要が急速に高まっています。特にミドルからミッドシニアレベルの採用が増加すると予想されており、技術力を活かして顧客対応業務を担うバイリンガル人材が非常に重宝されています。
2025年は転職による給与増加率は主に10~15%の範囲内でしたが、一部の重要なポジションでは現在の給与より30%増を提示するケースも見られました。2026年には、転職を通した給与増加率が10~20%になると予測されています。
また、高い給与だけでなく、柔軟なハイブリッド勤務オプションを提供する企業が候補者から支持されています。さらに、スキルアップやイノベーションへの投資など、明確なキャリア成長機会を示すことも候補者にとって大きな魅力となっています。
企業のITスタッフ:DX推進と人材不足
日本市場の商業企業は、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進をさらに強化しようとしていますが、人材不足がその進展を妨げています。特にサイバーセキュリティエンジニア、ITマネージャー、データアナリスト、ERP(エンタープライズリソースプランニング)やCRM(顧客関係管理)の専門家への需要が高く、この傾向は人材不足が解消されるまで続くと予想されています。
この分野での転職による給与増加率は平均8~12%となっています。また、リモートワークは引き続き候補者にとって重要視されており、人材不足が続く中で柔軟な働き方を提供することにより、限られた優秀な人材を惹きつけることを期待できます。
金融・フィンテック企業:革新的なテクノロジーに携わるキャリアパス、柔軟な働き方の重要性
賃金上昇と人材不足が相まって、金融・フィンテック分野では候補者がより高い初任給やスピーディーな昇進機会を期待するようになっています。その結果、企業側は採用基準を厳格化し、クラウド移行やAI効率化、コスト削減などROI(投資収益率)に直接影響を与える分野での人材獲得を優先する一方、副次的なポジションについては重要度を下げています。
採用プロセスでは交渉期間が長期化しており、カウンターオファー(現在の雇用主による引き留めのオファー)が一般的になっています。また、予算制約やコスト管理の圧力により、この分野全体で求人件数が減少しており、多くの企業では「1名退職につき1名補充」という厳しい方針を採用しています。
クラウドセキュリティ、AI、データガバナンス、およびDevOps(主にAWSやAzure)関連業務を担える経験豊富な候補者への需要は供給を上回っています。特に、安全なクラウド環境を設計しながらリスク軽減や複雑なコンプライアンス要件に対応できるバイリンガルのアーキテクトは非常に重宝されています。また、AIの出力を規制に対応したビジネス成果へと変換できるバイリンガルのプロジェクトマネージャーも非常に高い需要があります。
トップレベルやエグゼクティブのポジションでは、「技術スキル」または「ビジネス戦略能力」だけでなく、その両方を兼ね備えたハイブリッド型人材が求められています。他社でトランスフォーメーションプロジェクト(特に銀行・金融サービス・保険業界のレガシーシステム改革)を成功させた実績を持つ候補者は非常に需要が高いです。
転職による平均給与増加率は10~20%ですが、専門分野によって異なります。例えばクラウドセキュリティやデータスペシャリストの場合は15~20%程度ですが、AIガバナンスやクラウドアーキテクチャなど希少価値の高いスキルセットを持つ候補者の場合には最大30%以上の給与アップも見込まれます。
金融・フィンテック分野では現在、多くの候補者が転職に慎重になっています。カウンターオファーによる交渉の長期化や銀行・保険会社内で意思決定が遅れることも採用環境をさらに難しくしています。ハイブリッド勤務やリモートワーク制度、コアタイムの柔軟性を提供することが推奨されます。また、多くの候補者は複雑な技術的プロジェクトに取り組む際、自宅で作業するほうが生産性が高いと感じているため、一律の出社義務は敬遠される要因となります。さらに、レガシーシステムのみ扱うことになるポジションも、候補者に選ばれない傾向にあります。クラウドやAI、自動化技術など革新的なテクノロジーに携わる機会を提供する明確なキャリアパスは、有能な人材獲得に不可欠です。
コンサルティングファーム:DX推進と高度人材への需要拡大
コンサルティング業界では引き続き採用活動が活発で、市場全体で求人件数が増加しています。クラウド、データ分析、AI、ERP(エンタープライズリソースプランニング)、インフラ関連業務など技術専門家の採用へとシフトしている状況です。デジタルトランスフォーメーション(DX)が新規採用の主要な原動力となっており、日本語ネイティブまたはN1以上の日本語能力を持つ候補者への需要も急増しています。伝統的な戦略系コンサルティングファームでも下流工程としてAIコンサルティング領域へ拡大しており、優秀な人材が次々と採用されているため、人材プールが逼迫しています。また、新卒採用やキャリア初期段階で転職希望する若手人材の雇用も目立ち始めており、多くの企業が将来ニーズに応えるため自社で人材育成する方針へと舵を切っています。
近年さらに競争激化しているモダナイゼーション推進へのインセンティブ強化も予想され、それに伴いデータエンジニアリングやプロジェクトマネージャー業務、ERP導入支援、およびAI駆動型コンサルティングへの需要も拡大すると考えられます。コンサルティング分野全体では転職による給与増加率がおおむね10~20%程度ですが、高度な技術スキルや経験値を持っている場合は例外的に大幅な給与アップとなるケースもあります。特にクラウドやデータ領域、大規模ERP導入支援(SAPなど)の経験豊富なシニアレベルの専門家には、高収入ポジションへのキャリアパスが開かれています。
給与面以外にも、多くの候補者はリモートワーク制度に魅力を感じています。一方で雇用主側ではフル出社勤務への回帰傾向も見られるため、この点で柔軟性を示すことが採用成功につながる可能性があります。また、クライアント対応の経験がない候補者でも、応用可能な技術知識と語学力を兼ね備えた人材のポテンシャル採用に対して積極的な姿勢を取れば、さらに人材獲得の可能性が高まるでしょう。
この分野の給与相場・市場動向に関して詳しく知りたい場合は、給与調査ガイド2026(PDF)をご覧ください。
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Cameron McAllister
IT, 東京
Cameronは、2011年にロバート・ウォルターズに入社。テック・トランスフォーメーション分野の採用・転職サポートを専門とするシニアリクルートメントプロフェッショナルです。
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Michaelは、テック業界の採用・転職サポートにおいて10年以上の経験があります。ロンドンでキャリアをスタートさせたのち、2015年から日本在住。
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元GTM(市場進出戦略 )ストラテジストであるInduは、その専門性を活かし、テック業界の採用・転職サポートに特化したキャリアストラテジストとして活躍しています。2019年にロバート・ウォルターズに入社。
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Smailは、モロッコ出身、2018年ロバート・ウォルターズに入社。テック業界におけるプロジェクトマネジメントとデータサイエンス職の採用・転職サポートを専門としています。
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Shusukeは、5年以上の経験を持つテック業界を専門とするリクルーターです。プロジェクトマネージャーからソフトウェア・エンジニアまで、幅広い技術系職種の採用・転職サポートを専門としています。
Anh Yanagida
IT, 東京
Anhは、システム開発企業のITコンサル経験を経て、ITインフラ領域において5年以上にわたり、プロジェクトマネージャー、情報セキュリティ、監査などの分野で幅広く採用・転職支援を行っています。