アドビシステムズが行った日本企業対象の調査によると、企業の約8割が、デジタルマーケティングの重要性を認識しており、そのうちの約6割が取り組みの遅れを意識しているそうです。この遅れの原因の一つとして「リードする人材がいない」ということが挙げられています。
情報過多にあるネット状況のなかで、デジタルマーケティングの技術も高度化、多様化し、企業がその導入、手法に戸惑いを見せているという現状があります。このような状況下、デジタルマーケティングに関するノウハウを持った人材への需要が高まっています。
ネットの情報は爆発的に増えています。多くの企業は自社ホームページを開設していますが、ホームページの一方的な情報提供だけでは人を誘引することができなくなっています。その理由としては、ネット上に流通する情報量は加速度的に増えても、人が消費する情報量には限界があるため、企業が想定している利用者に届きやすい形、方法で情報を発信する必要があるのです。
ここで重要な概念が「インバウンドマーケティング」です。インバウンドマーケティングは、広告による一方的なアプローチ(アウトバウンドマーケティング)とは異なり、ソーシャルメディア等を駆使しながら顧客とのつながりを構築し、会社・商品への愛着や関心を高めることで、消費者自身が企業情報にアクセスし「見つけてもらう」ことを目的としたマーケティングです。
その背景には、日本でのGoogle検索エンジンの使用率が9割を超えたことや、Googleの「ユーザーに有益な情報を提供するホームページこそが検索エンジンで上位に表示されるべきだという方針」などの業界全体での広告による一方的なアプローチを嫌う傾向があります。
もともとメディアは、コミュニケーションツールに過ぎません。ユーザーが求めている情報と、企業をいかに結び付けることができるのか、といった関係の構築を第一義に考え、結び付けることができる人材が必要とされています。
またWEBマーケティングの先進国であるアメリカでは、日夜新しい情報やトレンドが更新されています。今後はバイリンガル人材を採用し、こういった情報やニーズの変化を常にキャッチアップして海外市場へ進出したり、国内にて海外モデルの商材を提供する企業の増加が予測されます。
インバウンドマーケティングへの注目の高まりは、マーケターに求められる能力にも変化をもたらしています。今必要とされているのは、各種の広告手段やツールに関する知識だけではなく、長期的な視野に立ってユーザーと企業の関係を構築ができるマーケターです。デジタル技術の組み合わせにより、その企業とユーザーにマッチしたマーケティングの仕組みを構築することに加え、関係性を築いたユーザーの属性や好みを分析して、適切なタイミングで役に立つ情報を届け取り込んだファン層を離さないなどといった戦略を、総合的にデザインする能力が求められます。
そして、ユーザーが興味を持って読んでもらえる、端的に言って「面白い」コンテンツを継続的に作り出す手段を考える必要があります。技術的な知識はもとより、中長期的視点に立ってコンテンツの質を高め、「見つけてもらう」視点でグローバル規模のマーケティングを提案する能力が求められていると言えるでしょう。
なお、具体的なデジタル(マーケティング)の求人状況等については、こちらをご参照ください。
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