自動車業界は、環境性能の高いエコカーの分野で、技術発展が著しい業界です。
EV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)が普及し始めているほか、高度な内燃機関を持つハイブリッド自動車に対する需要が高く、プロジェクトマネジメントにおいてもこの両面から戦略を構築する必要があります。
IHSオートモーティブの予測によると、ハイブリッド車の台数は2020年までに倍増する見通しです。また、米エネルギー省エネルギー情報局による「Annual Energy Outlook 2014」をみると、米国の新車販売台数に占めるハイブリッド車の割合は、2014年に全車種のうち3%、2040年には5%となる見込みです。
高度な内燃機関を搭載した自動車、そしてハイブリッド車については、今後も着実に技術革新が進み、それがシェアの堅調な伸びにつながることが予測される有望市場です。
EVやFCVなどの次世代自動車については、極めて大きな可能性をもった技術であることは間違いありませんが、本格的な普及のために、起爆剤となる革新を必要とする段階にあります。また、いまだ主導権をどの技術が握るのかが不透明な状況もあります。
自動車各社の動きをみると、フォルクスワーゲンや、ルノー・日産は、EVに注力しており、電池価格が高価であること、充電スタンドの不足や充電時間の長さなどの課題が指摘されるなか、技術的な向上のための開発に取り組んでいます。
一方、トヨタ、ホンダなどの自動車メーカーでは、FCVへの技術に傾注していくといわれています。FCVについても、燃料電池の価格や水素ステーションの建設費用など、普及には課題があり、インフラ整備のためには自動車各社の取り組みだけではなく、各国の施策による後押しが一層必要な状況であるといえます。
今後、各社は次世代自動車に関する革新的なブレークスルーを目指し、本格的な開発競争に入っていくでしょう。
また同時に、内燃機関の高度化に関するプロジェクトが当面の競争の舞台になりそうです。技術面だけではなく、短期的、また中長期的な企業の発展のための資本の配分についても、難しい舵取りを迫られることになるでしょう。
自動車のプロジェクトマネージャーは、次世代自動車、また環境性能の良いエンジンカー、ハイブリッドカーの世界的な市場の状況を注視し、各国のエコカー推進施策にも目を向けながら、短期・長期双方の展望に基づいた製品開発プロジェクトを進めることが求められます。
世界のメーカーで開発競争が行われる次世代自動車はもちろん、内燃機関の高度化にも、まだイノベーションの余地があり、各社が市場を獲得するための開発を行っている状況です。直噴ターボなどの技術は、ヨーロッパの企業が高い技術を持っているといわれていることもあり、世界の自動車メーカー、自動車部品メーカーが、技術だけではなく世界で活躍できる語学力を含めた高いスキルを持つ人材を求める状況は続きそうです。
なお、自動車の求人状況等についてはこちらをご参照ください。
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