在宅勤務中の適切なコミュニケーション方法は?

新型コロナウィルスの感染拡大によって、在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせた「新しい働き方」へのシフトを迫られた企業が数多くありました。働く「場所」がオフィスだけではないということがわかった今、時間も場所も柔軟に対応できるような「新しい働き方」を模索していかなければいけないということになります。従業員の在宅勤務中の生産性については不安視する声も多いのではないでしょうか。
そこで、どのようにすれば、在宅勤務中の生産性を保つことができるかをコミュニケーション方法に着眼点をあて考えてみました。
なぜ在宅勤務中の生産性が重要なのか
快適な在宅勤務を経験した今、新型コロナウィルスが終息したら以前と同じような働き方に戻ってしまった企業に魅力を感じる人は少なくなります。その結果、優秀な人材を失ってしまうこともあるでしょう。このような状況は今後急激な環境変化に対応しなければならない企業にとって望ましい状況ではありません。在宅勤務導入の有無が企業競争力の要素となった現在、在宅勤務中の生産性を保つことは企業にとって急務になるといえます。
在宅勤務中のコミュニケーションの図り方
2020年と2021年にロバート・ウォルターズ・ジャパンが行った「在宅勤務中の生産性」についてのアンケート結果では「コミュニケーションの取りづらさ」が生産性低下の要因の1位となりました。従業員同士が違う場所で働くことになり、お互いのコミュニケーション不足が生じやすくなっています。
情報共有が少なくなることで、雑談から生まれていたアイデアの喪失やメンバー間での心理的距離が広がりやすくなり、企業の成長スピードへの影響も懸念されます。そこで、在宅勤務中のコミュニケーションをスムーズにさせる有効的な課題解決策について、具体的に3つのポイントに分けて詳しく解説していきます。
1. コミュニケーションツールを導入する
ツールに慣れていれば問題ないのですが、たとえ機能が優れていても、ITが苦手な人にとって使いづらいツールでは結果としてコミュニュケーションを取る頻度が減ってしまい、コミュニケーション不足を招くことになります。自社の業務に合う機能を備え、なおかつ使いやすいコミュニケーションツールを導入することで、問題解決が図りやすくなります。
具体的には、いつでも情報交換ができるよう、オンライン会議システムやチャットツール、タスク管理ツールなどを導入することで業務効率を向上させることができます。
ツール導入の際には、企業として従業員やチームごとに違うツールを使用すると統率力に問題が生じますので、きちんとしたルール作りと周知を怠ってはいけません。
例えば、日々の業務連絡や情報共有にはリアルタイムに使え、会話内容を過去に遡れるチャットツールを使うことで、後から参加したメンバーにも適切に情報共有が行えます。
目に見えた方が話の早いものについてはオンラインミーティングツールを活用、ビジネスにおいて必要不可欠な文書や動画などのさまざまなコンテンツの共有・共同編集や管理が行えるツールを活用していくことで、相互理解と生産性の向上も期待できます。
2. 意図的なコミュニケーションの場を設ける
次に重要なのは、手軽にコミュニケーションを取れる環境を整備することです。
なぜなら、このちょっとしたコミュニケーションで仕事のスピードが大きく変わるからです。オフィス勤務をしている場合を思い起こすと、上司や同僚が隣の席にいたりして、わからない点を確認したり、ちょっとした雑談をしたりしていたことでしょう。在宅勤務中はテキストベースのコミュニケーションに変わったので、伝えるための時間や読み取るための時間が増加しました。テキストのみを使用すると理解齟齬が発生したり、ニュアンスがうまく伝わらないことも多いのではないでしょうか。この理解不足が、生産性の低下につながっています。コミュニケーションが不足することにより、生産性が低下するのであれば、企業として取り得る対策はシンプルです。意図的にそして手軽にコミュニケーションする機会を設けることです。
例えば朝会・夕礼、雑談のチャンネルなど、いつでも立ち寄れるオンラインの場を設けることも、コミュニケーションの活性化につながります。
朝会、夕礼等
毎日、短時間でも、順番にテーマを決めて発表する時間を設け、お互いの状況を確認することもいいでしょう。逆にオフィス勤務の際には話さなかったような同僚同士にも話す機会を与えることにより、より良い影響が出てくる可能性もあります。
ランチミーティングの開催
オフィス勤務では、同僚などとランチを一緒にする時はたわいない楽しい会話で盛り上がります。オンラインでも同じように、メンバー全員、またはメンバーを変更して、定期的にランチの機会を設定するのも良いでしょう。食事を一緒にすることで雑談もしやすく、また新しいアイデアが生まれるなどの効果も期待できます。在宅勤務中の場合、お互いの状況を把握しにくく、誘いにくい場合もあるので、企業としてシステムを整えることが鍵となります。
1on1ミーティング
コミュニケーション不足を防ぐために管理者がチーム全体の雰囲気を作ることは最も大切だと考えられます。
1on1ミーティングはオフィス勤務の場合でも有効な手段の一つではありますが、在宅勤務中はより重要になります。このミーティングを通して、質問をしやすい雰囲気を作っておけば、いざ従業員に困りごとが発生した際には躊躇なく質問をすることができ、無駄な時間を企業側、従業員側の双方が省くことができます。ですので、企業側としてこのようなオプションを整えておくことも重要だと言えます。
上記すべてはビデオ通話を利用することになりますが、ビデオ通話はリアルでのコミュニケーションには劣るものの、相手の表情が見え、反応が見えるため、文字や声のみのコミュニケーションより、活発なコミュニケーションを見込めます。
3. 業務の見える化
在宅勤務には勤務中の仕事の成果、業務の内容が見えづらいという課題があります。
このような課題に対してもコミュニケーションツールの利用履歴を使用することで仕事への貢献内容を確認しやすくなり、成果を判断する材料にもなります。
各従業員の日々の業務を見える化するということは、仕事の評価や成果も見える化しなくてはいけないということです。評価方法を見直して、評価の透明性を確保する仕組みも見える化できるように進めていきましょう。こうした取り組みを通じ、従業員が成果に応じて正しく評価されていることが実感できれば、従業員の信頼も勝ち取ることができ離職率を下げることにもつながります。
業務の内容についても、在宅勤務になるとちょっとしたコミュニケーションを取ることが難しくなったとの声があります。つまり、周りにいる上司や同僚に分からない部分をすぐに質問することで解決できていたものができなくなっていたりします。在宅勤務でもコミュニケーションツールの導入により質問自体はできますが、リアルタイムに答えが返ってくるかといえば、そうではありません。相手が忙しかったりすると回答が遅れることになります。その結果、生産性低下を招きます。そのための業務の見える化も必要です。
また、「誰が何の作業をしているか」、「担当者は誰か」を可視化することは、他部署であっても気軽に進捗管理を尋ねたり、手順がわからなくなっても業務ノウハウを尋ねることが可能です。業務の見える化により、余計な心配事がなくなりコミュニケーションが活発化し、円滑な業務が可能となります。
最後に、在宅勤務中の生産性を保つ方法について、特にコミュニケーション方法は企業側も模索が続いているかもしれません。従業員一人ひとりが輝ける職場づくりのひとつとして在宅勤務をとらえる必要があると考えられます。
そして、在宅勤務が増えた昨今では、従業員の顔が見えないからこそ、「従業員エンゲージメント」の重要性が叫ばれています。在宅勤務中エンゲージメントを高められれば、一人ひとりが互いを尊重・信頼し、一緒に取り組む仕事に意義と目的意識を持ちます。その結果、組織の生産性・利益率の向上と離職率低下にも繋がります。
詳細についてはリンクよりご確認ください。
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