ハイブリッド勤務に効果的なチームワークを築く方法

「ハイブリッド型」勤務で押さえておきたい燃え尽き症候群への対応とは?

コロナ禍で急速に普及した在宅勤務やリモートワーク。一足早くワクチン接種が進んだ欧米諸国では、オフィス出社を求める企業が増えています。これに対し、人材不足の続く日本では、スキル人材を巡る人材獲得競争とリテンションの観点から、週2・3回のリモートワークオプションを残し、オフィス勤務とリモートワークを組み合わせた「ハイブリット勤務」が主流になるものと考えられています。また、フレックス制の拡充などを通じて、働く時間帯にも自由度が残る企業が多くなるともいわれています。約2年に及ぶリモートワークから学んだメリット、デメリットをもとに、メンバー一人ひとりが異なる場所、異なる時間帯、異なるスタイルで働くチームが、高い生産性とイノベーションを叶えるにはどんな施策が求められるのでしょうか。

この記事では、従来の働き方とハイブリッド勤務の違いを参照しながら、ハイブリッド勤務で効果を発揮するチームワークの築き方を考えます。

「チームワーク」とは実現のために力を合わせること

チームワークとは、組織に属するメンバーが目標を達成するために互いの弱みを補いつつ強みを活かすことを指します。一人の人間の発揮できる力や持っている能力には限界があるため、苦手なことを補い合うことで、生産性が向上し、組織としての目標・ビジョンを達成することができます。それぞれの強みが活かされることによって、メンバー一人ひとりが貢献しているという自己有用感を持つことができ、モチベーションの向上にもつながります。そのため、良いチームワークを形成するには、それぞれの強みや弱みを知ること、お互いの状況を常に把握し適切なタイミングでサポートすること、それぞれが目標のどこを担っているかを知り合うことが重要です。

リモートワークがチームワークに及ぼす影響

コロナ禍では、多くの人が在宅勤務やリモートワークを経験しています。従来は、同じ職場で働き、自席では臨席の同僚と、エレベーターホールやカフェエリアでは他部署の同僚とも気軽に情報交換や相談ができていたため、お互いの人間性や知性に触れたり、同じ目標に向かって働いているという実感を持ちやすく、チームワークを築きやすい環境でした。それに対し、在宅勤務は、通勤や移動に使う時間を削減できるなどメリットが多いと言われる一方で、長期化する在宅勤務を強いられた従業員のモチベーション低下や孤立という課題も注目されています。

ハイブリッド勤務に適応したチームワークが必要

ロバート・ウォルターズ・ジャパンの調査では、国内173社(外資系・日系グローバル企業)のうち、86%は「コロナ後も在宅勤務制度を継続する」と回答しています。今後は出社と在宅を両立させた「ハイブリッド勤務」が増えると考えられます。ハイブリッド勤務では、オフィス出勤メンバー同士は気軽に話しかけられ、日常的にお互いの状況を把握しやすいため、オフィスに集っているメンバーとそうでないメンバーの間に情報量や親密度の格差が生まれ、「オフィスに情報が集中して、オフィスに来ることができる人が評価される」といった懸念が生じやすくなります。

一方、海外ではハイブリッド勤務中のチームはプロジェクトの成功率が高いという研究結果があるほか、移動時間が減るため会議の頻度を増やすことができる、テキストでの情報発信の頻度を増やすことができる、必要なときにはオフィスに出社できるといった利点もあります。

今後はこうしたメリット、あるいはデメリットを把握した上で、ハイブリッド勤務で効果を発揮するチームワークを築く方法を考えていく必要があります。

ハイブリッド勤務で良いチームワークを築く方法

チームを束ねるリーダーの立場から、マネジャーや経営陣が明日からでも講じられる施策を3つ挙げます。

1. 情報共有を見直す

オフィスでは集っている人たちは情報を得やすい、評価されやすいということを避けるために、情報量やお互いの業務への理解度を「平等にすること」が重要です。オンライン上でのやりとりを意識的に増やしたり、対面で軽く会話した内容やオフィスで話されているプロジェクトの情報や目標の進捗を、他のメンバーにも漏れなく共有することが必要です。また、お互いの人間性を知り信頼関係を築くため、業務に関係のない雑談ができる機会を増やすためには、例えば雑談用のスレッドを立ち上げ、毎朝タスクの共有をする、といった方法が挙げられます。

テキストコミュニケーションだけだと背景や理由が伝わりにくいことがあり、それに対して従業員はストレス、懸念や失望を感じる可能性があります。そのため、例えば制度の導入や変更、業務運営体制の見直しの周知などを行う際はテキストでなるべく丁寧に説したうえで、テレビ会議で直接話し質疑応答を受ける時間を設けるとよいでしょう。そのようにすることで、従業員はリーダーたちが自分たちのことを配慮してくれていると感じ、信頼感の醸成にもつながります。

2. オフサイトミーティングなどチームメンバーが直接顔をあわせる場を設ける

毎日ではなくとも週・月に一度、全員が出社する日を設けることで、ハイブリッド勤務では難しい全員で対面コミュニケーションをとることができます。そのようなタイミングで、チームワークの形成に必要な、それぞれの弱みや強みや、チームや個人の目標を共有する、もしくは食事やお茶などカジュアルなコミュニケーションをとると、なお効果的でしょう。

3. ポジティブな雰囲気づくりを心がける

対面のコミュニケーションからは笑いや活気が生まれやすいですが、オンラインのコミュニケーションではそれらが欠けやすい傾向にあります。 そのため、リーダーが自らの言葉選びに気を配り、メンバーへの声掛けなどを通じて、チームにプラス思考を浸透させることが大切です。仕事に対する前向きな姿勢が根付いた組織になっていれば、何かのきっかけでメンバー間に衝突や否定的な感情が生まれたときにも、ダメージを最小限に抑えることができるでしょう。さらには「自分の発言や提案が前向きに検討してもらえる」という安心感と心理的安全性が確保されれば、メンバー同士やリーダーにも手助けやアドバイスを求めやすくなります。

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