モチベーションとは、何かを行うときの動機づけややる気のことをいいます。英語で書くとmotivationとなり、motivateとは「刺激を与える、やる気にさせる」という意味があります。モチベーションは日本語では「やる気、意欲、内的動機づけ」と訳されるのが一般的です。目標やゴールに向かって努力を続けていくための原動力となるものがモチベーションです。
モチベーションはビジネス時、さまざまな使われ方をしています。たとえば、やる気が出ないことを「今日はモチベーションが上がらない」と言うのを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。また人事から「社員がモチベーション高く仕事できるように職場改善しましょう」と使われることもありますし、上司からは「上司として、部下のモチベーションの管理が必要だ」と言うのを聞いたことがあるかもしれません。
モチベーションマネジメントとは、言葉の通りモチベーションをマネジメントすることです。つまり、モチベーションを管理することをいいます。モチベーションは、人の感情ですから高くなったり低くなったりすることがあります。しかし、生産性高く仕事を行っていくには、モチベーションを安定的に保ち続けることが重要です。その日の気分や環境によってモチベーションが簡単に上がったり下がったりしては、円滑に仕事を進めることができません。
モチベーションマネジメントを行うには、制度面と人間関係の2つの方向でのマネジメントが重要です。まず、制度面でのマネジメントについては評価制度や人事異動などの人事制度を見直すことが大切です。「成果を出したらきちんと評価される」「昇進や昇給が期待できる」「希望に沿う職種や職場で働ける」といった環境整備をします。次に、人間関係でのマネジメントについては、成果を出したらきちんと褒めるといったマネジメントが大事です。個人の裁量を認めて、できるだけ本人の希望が活かされるようにするといった対策をしていきます。
ビジネスの現場では、常にモチベーション高く仕事ができるわけではありません。いろいろなことがきっかけになって、モチベーションがグッと下がってしまうことはよくあります。では、なぜモチベーションはなぜ低下してしまうのでしょうか。モチベーションが下がる場面には、さまざまなストレスが関係してきます。
たとえば、「一生懸命仕事をしたのに正当な評価を受けられなかった」「期待していたような報酬がもらえなかった」と感じた場合に、モチベーションが下がります。「頑張っているのになかなか成果が出ない」というときも、焦るばかりでモチベーションが上がりません。自分だけ大変な仕事をさせられて不公平だと思うときも、モチベーションは低下します。
仕事上で、自己肯定感が満たされなかったり、不公平感を味わったり、期待を裏切られたと感じたりするときに、モチベーションが下がってしまうといえるでしょう。
また、上司がいちいち口を挟んできて、自分が思ったように仕事をさせてもらえないというのも、モチベーション低下の原因です。モチベーションには自分の力で何かを成し遂げたいという達成感も影響するので、仕事のやり方を管理されるのはモチベーション低下につながるのです。「こんな仕事をしてみたい」という希望を持っているのに、なかなかやらせてもらえないという場合も、モチベーションは下がります。個人の成長欲求を阻害するようなこともモチベーションを低下させる大きな原因です。
仕事へのモチベーションが下がってしまうと、会社への影響と個人への影響の2つのデメリットが生じます。
会社・職場へのデメリットですが、モチベーションが下がることで、仕事の効率がダウンし、業績も上がりにくくなります。何かにチャレンジしようという気持ちがなくなるので、新しいアイデアも出にくくなるでしょう。社員のモチベーションが低いと、職場全体のモチベーションも下がってしまいます。活気のない職場は、ますます社員のモチベーション低下を招いてしまうかもしれません。このようなことが続けば、だんだん業績が低迷して、会社を成長させるために必要なパワーがなくなっていくことが予想されます。仕事のモチベーションが下がってしまった社員が離職してしまうケースも少なくありません。人手不足の中、よい社員に離職されてしまうのは、会社にとっては大きな痛手になるでしょう。
個人へのデメリットとしては、職場の評価が下がる可能性があります。能力主義は仕事をするうえでのスキルです。しかし、一方で仕事をするうえでのプロセスも重要であり、どう仕事を遂行したのかも評価対象になります。モチベーションが低いと、たとえ結果を出していたとしても、高く評価できないこともありえます。もっとも、数字が上がらなくてもいいのかなどあいまいな部分も多いため定義が必要です。また、モチベーションが下がると、いろいろなことに興味を持てなくなるので、新しいことを覚えたりすることが苦痛になるかもしれません。さらに、モチベーションが低い状態が続くと、心身に不調をきたすおそれも出てきます。
社員が仕事へのモチベーションを維持することは、会社にとっても社員にとっても、とても重要なことです。では、モチベーション維持のためには、どのような施策をしたらいいのでしょうか。
モチベーションというのは内的な動機づけなので、自分から何かをやりたいと思う気持ちを大切にすることが重要です。たとえば、社員教育を充実させて社員の成長欲求に応えるのもよい方法です。学びたいという意欲やもっとできるようになりたいという意欲をうまくサポートすることで、日々の仕事へのやる気を維持できます。社員一人ひとりのキャリアプランをヒアリングして、それに合わせた教育システムや配置転換を行うことも効果があるでしょう。社員の「何かをやりたい気持ち」に寄り添うことで、モチベーションを維持していくことが可能です。
チームで仕事をして、お互いに励まし合える環境を作ることも、モチベーション維持効果が期待できます。たとえば、仕事で何か失敗したり、うまく行かなかったりすることがあっても、励ましてくれる仲間がいればまた頑張ろうと思えるでしょう。一人であれこれ悩んでしまうと、いったん下がったモチベーションをなかなか上げることができません。個人で仕事をすることが多い職場でも、仕事以外のことで何かチームを組んで行う機会を設けましょう。社内イベントや、サークル活動、勉強会のようなものでも構いません。職場のコミュニケーションも円滑になって、一石二鳥です。
仕事には、モチベーションの上がらない仕事とモチベーションが上がる仕事があります。モチベーションの上がる仕事には「やりがい」という要素があります。「この仕事を頑張ったら周りから高く評価される」「自分の達成感が満たされる」「スキルアップできる」などという期待感を感じられる仕事には、モチベーションが上がるものです。そして、そうした社員の期待が実際にきちんと実現されるような環境があることも、仕事のモチベーションには大きな影響を与えます。
もっとも、日々の業務はモチベーションの上がる仕事ばかりではありません。面白くないと感じる仕事も少なくないでしょう。問題は、モチベーションの上がらない仕事を、どうモチベーションが上がる仕事にするかという点です。
目標設定して自分で自分の気持ちを上げていくのも一つの方法です。目標を達成したら、自分で自分にご褒美を与える人もいるでしょう。なりたい自分をイメージすることで、今の仕事をワクワクとこなすことができるかもしれません。大事なのは、目の前の仕事に対して、自分なりの意味づけをして取り組むことです。
また面倒なルーティンの作業は業務効率化に取り組んでもらうなど、ただの作業から一歩進んだ作業にする・そういった作業を任せるというのも一つの手でしょう。たとえば単純なExcelの作業であれば、マクロを構築する、RPAを導入するというのもあるかもしれません。マクロを使うには勉強が必要ですからそういったことを学んでもらうのもいいでしょう。ただし、全員が全員そういったことを学びたいわけではありませんから、そうではない人にはスピードを上げるためのショートカット等のテクニックを教えてみるのも一つの手段といえそうです。
会社でリーダークラスのポジションにつくと、新しく部下のマネジメントという業務が発生します。自分のチームの士気を高め、目標を達成するためには自分を含めチームのモチベーションをどう管理していくかが鍵になります。
もちろん、リーダークラス以外の方も仕事へのモチベーションが上がらないと、自分のスキルを十分に発揮できなくなります。モチベーションが上がれば、仕事への生産性も高まるため、モチベーションアップの方法を押えておきましょう。
モチベーションを高く維持して仕事に取り組むことで、生産性が上がります。与えられた仕事を作業的にこなしていくのではなく、考えながら働くことで、新しい発見があるかもしれません。新しい発見は、業務改善や商品開発に結び付く可能性の芽です。これは、会社にとってメリットとなるだけでなく、提案した社員のさらなるモチベーションアップにもつながるでしょう。
また、モチベーションが高い社員が増えると、会社自体も活性化します。コミュニケーションが円滑な職場では、やりがいと楽しさを感じながら、前向きに仕事に取り組めます。一人一人の社員が満足して働けるような環境を作ることが、モチベーションアップには欠かせないといえるでしょう。
会社という組織の中では、自分だけが高いモチベーションで働けばよいというものではありません。部下のモチベーションを挙げることで、チームとしての総合力が高まります。強靭なチームを作り上げることができれば、相乗効果で物事に一致団結して立ち向かい、成果を出すことができるでしょう。
部下のモチベーションを上げるためには、明確な目標を与え、部下を信頼して任せるということが効果的です。仕事を進める中で、あれこれと口出しをするのではなく、部下の裁量に任せるのです。失敗しそうになったらこっそりとフォローし、成功したら全員の前で褒めてあげましょう。そうすることで、部下たちもモチベーションを高く持って、仕事に取り組めるようになります。仕事の生産性を上げるために、自身や部下のモチベーションを維持できる雰囲気づくりを大切にしていきましょう。
新入社員のモチベーションをどのように維持し、上げていくのかについて紹介します。新入社員だからこそ入社時とのギャップは生まれやすく、それを埋めてあげるためにどうしたらいいかが重要です。新人の場合は、慣れない仕事や初めての仕事が多いので、「うまくできない」というだけでモチベーションが下がりやすくなります。そのため、任せっきりにして放置しないで、適宜サポートしてあげましょう。慣れない生活で不安を抱えていることも多いので、よく話を聞いてあげることも大切です。
また、チームの一員として意見を尊重したり、重要な仕事を任せたりして、仲間として信頼していることを伝えましょう。自分も社内の大切な一員なのだという気持ちが芽生えると、モチベーションを維持しやすくなります。
多くの企業は求人・採用計画はあるものの、採用者の入社後の仕事へのモチベーション管理計画までを作っていないケースが現状です。部門の再編や新しいチームの採用に比べ目立ちはしませんが、仕事へのモチベーションの低迷を管理し軌道修正することは、事業の成否と収益に大きく影響します。
管理職の重要な役割の1つは、チームのモチベーションの維持と士気の向上です。仕事のモチベーションが落ち、パフォーマンスが落ち始めた場合、さらに下げないようバランスを取って対処法を決める必要があります。
また自分自身でも普段の仕事で集中できていない時がないか、無駄な残業ばかりしていないか、を定期的に確認しておくことが大切です。仕事の生産性をあげられるようチェックしましょう。
目標の明確化は仕事へのモチベーションの維持とパフォーマンス低下を防ぐ鍵です。定期的なレビューはこれらの目標を基準に行うべきです。それによって会社と社員の両方が、各個人の職務に求められるものを認識できます。社員の目標が定期的に達成されていない場合、どのような措置を講じるべきでしょうか。まず問題の内容を確認し、パフォーマンスの落ち込みの原因を突き止めましょう。そうすることで改善策を見出すことができるでしょう。逆に目標が達成されている場合は、しっかりと評価することもモチベーションを高いまま維持できるでしょう。
特定の社員が求めるレベルの仕事をしていないと判断するには、何らかの基準があらかじめ存在し、社員がそれを自身に課されている事を知っていなければなりません。これには当然ながら、社員と直属の上司および経営陣の明確な評価手段が必要です。幅広い種類の評価ツールがあり、会社のニーズや種類によって手法も異なります。
ある社員が必要な基準を満たしていないことが明らかな場合、モチベーションによるものなのか、スキルの問題なのかなど、原因を特定しなければなりません。これによって対処法を示せるだけでなく、当該社員の士気を下げるなどの、人的資産の無駄使いも未然に防げます。ローパフォーマンスの原因は人によって異なり、是正措置も様々です。原因を正確に見極めることが重要となります。
ローパフォーマンスへの対処は、容易な作業ではありませんが、モチベーションを上げるなど対処することで、チーム全体のパフォーマンスレベルを保ち、本人に改善のチャンスを与えるために必要な措置です。
モチベーションが上がっていないチームはリーダーがコミュニケーションがよく取れていないことが多い傾向にあります。自分の部下がどのようなことを今プロジェクトとして進め、どういったことに行き詰っているのかを把握するようにしましょう。
仕事に関係ないことでもしっかりとコミュニケーションをとり、部下からいつでも相談されるような雰囲気づくりも大切です。
目標に見合った成果を出した社員にはしっかりほめ、評価しましょう。また成果が上がらない社員に対して、こうしたほうがいいと押し付けるのではなく、ここはできているが、こうすればもっとよくなる、というように今の仕事の進め方を踏まえたうえでアドバイスを行いましょう。
他の社員はこうしていると比較をするのではなく、各々の部下に見合うようなアドバイスを行うことが大切です。
いつも100%の力で仕事をし続けることで、いずれ「やりきった」と考えるようになり、モチベーションが全く上がらない状態が発生してしまいます。ひとつのプロジェクトが終わったタイミングでは部下に残業をさせず帰らせる等リフレッシュをさせましょう。
もちろん有給休暇を取得しリフレッシュするというのも効果的な方法です。仕事から離れることで再度仕事へのモチベーションを取り戻すことが出来ます。
日々の仕事の中で、こうしたらいいのではないか?、こういうことを行いたいという改善点や提案を部下がすることがあります。全ての改善点や提案を受け入れることはできませんが、全て拒絶することは部下のモチベーションの低下につながります。
退職する際の主な理由の1つが「やりたいことができない」と言われています。なるべく部下の意見は尊重しましょう、自分自身でも気づかなかった新しい発見があるかもしれません。
もし自分の上司が毎日不機嫌な顔をして仕事をしていたり、暗い顔でため息をつきながら仕事をしていたらどうでしょうか?
リーダーの態度や雰囲気はチームに影響を及ぼします。自分が楽しみながら仕事を行うようにしましょう。
自分自身がモチベーションを上げるための方法もご紹介します。
1つ目はリスタートすることです。リスタートとは再出発を意味します。具体的な方法としては、転籍願いを出す、新しい仕事に取り掛かることなどが挙げられます。働く環境を大きく変えることで、気持ちを切り替えることが可能となるでしょう。
2つ目は期限を決めることです。ダラダラと働くのではなく、1つの作業をする時間を区切りメリハリをつけて働きます。
3つ目はアファメーションで、これは自分自身に対してポジティブな宣言をするという方法です。なりたい自分や理想を唱えたり、明確な目標を持つことで、やる気を引き出すのです。
4つ目として運動があります。身体を動かすことにより、気持ちをリフレッシュして仕事に向き合うことができます。また好みの音楽で気分転換することで、前向きな気持ちで働けるはずです。
モチベーションを保ちながら仕事を行うのは難しいことです。自分なりのやり方を見極め、うまくチームの士気を高め、仕事の生産性をあげましょう。
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もっと読むグローバリゼーションというメガトレンドに取り残されないためにはどんな力を身につけなくてはならないのか。上司層に共通するこの課題のヒントとして、トップリーダーの資質と求められる3つの「リーダーシップスキル」を紹介します。 トップリーダーになるために必要な資質とは リーダーは「Lead」からきているように、人を導く、指導者であることが求められます。リーダーシップという言葉があるように、職場の部下から信頼を得られるリーダーになるためにはいくつか必要な資質があります。 トップリーダーに共通しているリーダーの資質を紹介します。 1. 意思決定を自分ですることができる 一番基本的であり重要な役割になります
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