営業職種のキャリアを歩むと決心したら、まずどの業界で働きたいか考える必要があります。
従来から、営業職には「企業間」営業(B2B)と「企業対消費者」営業(B2C)という2種類の顧客形態があります。
一方から他方への転換は、特に担当分野で経験と専門知識を積むほど非常に難しくなるため、どちらを選ぶかは重大な決断です。正しい選択ができるよう、前もってリサーチする価値は十分にあります。
B2C営業は多様で広大な市場を対象とし、ほぼ万人が見込み客となるため、顧客となる上で必要な要件はほとんどありません。例として、不動産・自動車・小売商品をその商品を直接使用する消費者に販売する業務が挙げられます。
対してB2B営業では、他企業に商品を販売する企業が取引相手になります。B2B営業職種の大半は技術色が強く、複雑な製品・サービスを企業に販売します。自社事業の経営を目的とし、その製品・サービスを持続的に必要とする市場が、ターゲットになります。たとえばフロントガラスをメーカーに定期的に供給するなどの例が挙げられます。メーカーは、そのフロントガラスや他の部品を使って自動車を製造し、完成品を販売します。
これがB2B営業とB2C営業の主な違いです。B2B営業市場は関係志向販売に大きく依存し、B2C営業に比べ長期的な営業サイクルで販売を行います。
販売する製品・サービスの複雑さから、B2B営業職はB2C営業職より給与水準が高い傾向があります。特定の製品・サービスに必要な業務経験や専門知識を持つ人は、大きな成功を収められます。こうした要件があるため、B2B営業のキャリアでは営業力だけでなく知識が重視されます。
B2C営業職はB2B営業職より給与水準が低い傾向があります。B2C市場で販売する製品は大抵、販売規模が小さいか特定商品のバラ売りだからです。とは言え、ベテラン営業職の場合、高い収入レベルを期待できます。顧客サービスを向上させ販売対象層の取り込み方を覚えれば、営業力を大幅に高め高級・高額商品を扱えます。
B2B 営業職に就くには、高等教育修了資格と追加研修、それにB2C営業職以上の経験が必要です。その業界の関連資格と専門知識を持つことが、一般に多くのB2B営業職種の前提条件となります。たとえば医薬学部の学生の中には、この分野の専門知識を活かして製薬会社営業の道を選ぶ人もいます。
B2B営業の最大の短所は、見込み客プールが小さく、全ての見込み客が業界の景気動向に左右されやすいことです。一般消費者の見込み客数に比べれば、 B2B業界の市場はどれも小規模になります。
全てのB2C製品が万人を想定していないにせよ、ほとんどの製品・サービスは「広い顧客の支持を得る」ため、B2C営業の顧客基盤は大規模かつ細分化されています。営業専門職として、担当製品・サービスを必要とする顧客に注意を向けねばなりません。
いずれを選ぶかは結局、自分がどちらに情熱を感じ、より大きな達成感を得られるかです。どちらの業種でも見込み客と取引関係を育み信頼関係を築かねばならないため、「対人スキル」が欠かせません。あなた個人のスキルや目標、求める所得水準、そしてもちろん熱意にも留意する必要があります。
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