国際的な経験は、あなたのキャリア形成に大きな効果をもたらします。ここでは、海外転職を考えている人に向けて、専門家の協力のもと、海外転職・転勤のポイントについてご紹介します。
まず、ご自身が重要視するポイントがキャリアなのか、ライフスタイルなのかを明確にする必要があります。昼間は仕事をし、オフィスからビーチに直行するようなライフスタイルを理想としているのなら、ロンドンからシドニーへの移住がぴったりかもしれません。しかし、キャリアアップという点では、横の移動になり、あまり劇的な変化はないといえます。
キャリアアップをはかるために国際的な経験を積みたいと考えているのであれば、わかりやすい場所以外にも目を向けてみるのがよいでしょう。ロバート・ウォルターズの東南アジア・中国向けClient development director、Joanne Chua(シンガポール在住)は「タイやベトナム、フィリピンといった新興国への進出も視野に入れ、冒険してみるのがいいでしょう。新興国の市場はそれほど成熟はしていませんが、競争は少なく、チャンスはたくさんあります。」と話します。
ロバート・ウォルターズ・アイルランドのManaging director、Louise Campbellも上記に同意見のようです。「新興市場では、小規模で新しいチームの一員となり、事業の立ち上げから関わることができるでしょう。東京、シンガポール、ロンドンなど、活気あるライフスタイルが人気で華やかな場所に惹かれる人も多いようですが、こうした場所では、下積みを長く積む必要があります。そのため、野心を抱いてキャリアアップを求め国際的に活躍したいのであれば、長期的にみて早めに自分が進出できる可能性のあるテリトリーに目を向けておく必要があります。」
現在住んでいる場所によっては、海外移住の選択肢がパスポートやビザ等、法的な事情によりオプションが制限されることがあります。「ここに住みたい、あそこに住みたいという思いにふけっても、適切なビザやパスポートがなければ、その夢がかなわないこともあります。自分が持っているパスポートで、実際に行ける場所はどこなのか?夢の移住に必要な書類を確保するのがどれほどの労力を要するのか?自分の制約が分かれば、より現実的な計画やリサーチを始めることができます。」
グローバル企業での社内異動を考えているなら、人事部や人材開発チームを活用しましょう。人事部や人材開発部に相談し、海外勤務があなたにとってどの程度適しているのか、その結果、組織内でどのような昇進が期待できるのかについてアドバイスをもらいましょう。
ロンドンや香港、シドニーを旅行で訪れたことがある人は多いかもしれません。しかし旅行では現地の雰囲気をつかむことはできたとしても、海外移住を決断するにはもっと多くの情報が必要です。例えば、あなたの業務内容での現地の雇用市場はどのような状況なのか?どのくらいの頻度でチャンスがあるのか、市場の流動性はどうなのか?家賃や食費、交通費などの生活必需品をまかなうには、いくら必要なのか?週に何時間働くことになりそうなのか?このような情報もグローバルなコンサルタント会社であれば、熟知しており、優秀なリクルーターは、すべてアドバイスしてくれます。出発前も到着後もあなたのために動いてくれるでしょう。
数年間海外で働き、その後帰国することを計画している場合、ニッチすぎるスキルや古くなってしまう可能性のあるスキル、あるいはその国でのみ需要が高く、帰国してもあまり必要とされないようなスキルの職務には応募しないようにしましょう。「現地に特化しすぎて、帰国後に同等の仕事がなく、後戻りを余儀なくされるようなこともあり得ます。」と、Louise Campbellは忠告します。
技術職、デジタル、IT、デジタルマーケティング、eコマースなどの分野の人材需要は非常に高いです。しかし、法務、リスク、コンプライアンスなどの分野では、注意が必要です。法律や規制の中には、ある地域に特有のもので、他の地域には通用しないものもあります。
海外移住で激変するのは、移住先だけでなく、仕事の内容も大きく変わる可能性があります。例えば、フランクフルトのような確立されたマーケットで、40人ほどのチームを率いるマネージャーとなる場合、そこには洗練されたシステムがあり、あらゆる種類のタスクや責任が委譲されるでしょう。一方、マニラで一から新しいオフィスを立ち上げるような場合では仕事内容はフランクフルトのそれとは全く異なります。
そのような状況では臨機応変に対応することが必須となり、自発的な行動がカギとなります。簡単な挑戦ではなく、誰もが成功できるものでもありません。しかし、「スタートアップのチームを12カ月でフル稼働させるという会社の目標を達成した」など、ポジティブな結果を報告できれば、卓越した経験を積むことができ、社内外の採用担当者にとって、魅力が大幅にアップするはずです。
海外移住の際、友人や家族に会えない寂しさや、誰も知らない世界で新しい文化や国に慣れることの大変さは、あまり考慮されないことが多いようです。そのため、もし友人の友人や、現地にいる同僚が、アドバイスをしてくれるのであれば、そのような人を探してみてください。どこで買い物をするか、携帯電話の契約をどうするかなど、実用的なことだけでも、大きな違いがあります。
特に、ノウハウを知る友人をみつけることは永住を考えている場合には有効であると海外採用を専門とするHelen Swithenbankは言及しています。 「たとえ一人でも知っている人がいれば、移住に大きな違いが生まれるかもしれません。国籍の違う人たちは、すでに確立された移住者コミュニティに引き寄せられるものですが、こうしたコミュニティを調査することは、新しく移住してくる人たちをサポートする手段にもなります。」
求職者が海外経験を求めるのは、若くて生活基盤がない時期であることが多いのですが、それには理由があります。海外移住は大きな変化であり、配偶者や子供がいる場合は、さらに多くの要素を考慮しなければなりません。そのため、海外移住を検討する場合には、自分の移住が愛する人に与える影響を考慮し、賛同を得る必要があります。また、最も恋しくなる人たちと定期的に連絡を取り合うための方法についても考えておくとよいでしょう。
先述のJoanne Chuaは以下のようなアドバイスをしています。「海外転職・転勤を考えるとき、特定の職種にとらわれすぎないようにしましょう。もし、あなたが真剣に転職を考えていて、より大きな視野で物事を考えているのであれば、全く同等の職務を見つけようとすることに固執しないでください。海外転職・転勤は未知の部分が多く、企業としては失敗のリスクを最小限に抑えたいので、成功の可能性を高めるために一段低いところから始めるようアドバイスすることもあります。」「書類上では降格と見えるようなポジションでも視野を広げ、仕事を理解するための機会であるととらえることでその後、元のポジションを超えるポジションに急速に昇進するケースを多く見てきました。」
また「新しい市場で自分の力を証明するために、時には横移動、あるいは多少の遠回りが必要になることもあります。特に、50人のチームを管理していたのが15人のチームに移るような規模縮小のようなケースです。しかし、長期的に見れば、新しい文化や環境に身を置くことは、良いことかもしれません。
海外勤務は、キャリアアップにつながるだけでなく、現地で日本では経験できない経験を積むことができる素晴らしい機会でもあります。同僚や駐在員のコミュニティだけでなく、もっと広い人脈を築きたい、現地の言葉を学びたい、新しいことに挑戦したいなど、新しい経験や人脈が後々何につながるかはわかりません。
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