EVPとは、Employee Value Propositionの頭文字をとった略語で「従業員への価値の提案」、つまり企業が従業員へ提供できる価値を指します。
ワークライフバランス、福利厚生の充実、資格補助などがEVPの1つの例です。現在企業で働く従業員や今後入社してほしい人材に対して他の会社へ移るのを防ぎ、「ずっと同じ会社で働こう」「この会社に入社して働こう」と思ってもらうことがEVPになります。
ただ、福利厚生など一般的なものは他の企業もやっているため、企業独自のEVPを考える必要があります。
転職が以前よりも一般的になり、1つの会社にずっと留まることが当たり前でなくなってきています。また売り手市場の中でいかにして優秀な人材を競合に取られず自社で採用できるのかが課題となり、EVPが必要とされています。
自社のEVPを作成する際にまずは自分自身で今の会社を分析してみましょう。自分が今の企業で働く理由は何なのか、ワークライフバランスがとれている、フラットな社風である、若手でも管理職につける等々思いつくものを分析していきましょう。
また自分の友人やチームのメンバーに対して自分の会社で働く理由や自分の会社に対してどういったイメージを持っているのかについてヒアリングしておくのもいいでしょう。
競合企業にはなく自社にしかない強みというのは何があるでしょうか。従業員にヒアリングをかけ、探してみましょう。
また競合のHPや採用ページにEVPがあるはずです。EVPを作成する前にどのようなEVPを掲げているのかは確認しておきましょう。
もし似てしまう場合は異なる観点から自社のセールスポイントを再度洗い出し、差別化要因を抽出、自分たち独自のEVPを作成するようにしましょう。
分析が終わったら自分のチームでEVPとなる要点をまとめていきましょう。実際に自分たちが伝えたい要素が第三者、実際に入社された方に伝わっているのかアンケートを取りながら進めていきましょう。
仮にエンジニアを採用したい場合にEVPが営業活動に力を入れているというものであれば、エンジニアはその会社に入社しようとは考えないでしょう。
また世界展開を視野にいれた企業で、グローバル人材を採用したくてもグローバル展開について書かれていないEVPであればグローバル人材はそのEVPを魅力的だとは感じないでしょう。
もちろん、グローバル人材やスキルの高い人材を採用したいがためにEVPを誇張して作成しても、実際の現場との違いを感じ、短期間で退職されてしまってはお互いにとってよくありません。
スキルの高い人材を確保するために自分の会社を魅力的にする努力を怠らないようにしましょう。
EVPはずっと同じものを使い続けるのではなく、従業員へEVPへの意見を年に1度取得するようにし、従業員との認識齟齬がないようにし、EVPを高めていきましょう。
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