専門スキルと英語力を備えたグローバル人材の転職を支援する人材紹介会社のロバート・ウォルターズ・ジャパン株式会社 (本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:デイビッド・スワン)は1月16日、外資系・日系グローバル企業の国内拠点が行った中途採用の事例などをもとに産業・職種別に採用動向と給与水準をまとめた「給与調査2018」を刊行しました。
グローバリゼーション、テクノロジーの進化にともなって、日本でもグローバルやクロスボーダーのビジネスが一層加速した1年となりました。そのため業界に隔てなく広範な分野で、グローバルのビジネス慣習と第2言語に堪能な人材を据えたいという企業が多く、その需要は過去最高レベルに達しています。これは専門スキル、豊富な経験値を備えた優秀なバイリンガル人材を確保できるか否かが企業の将来性を左右し始めていることを示唆しています。
自動車メーカーなどの製造メーカーではかつての電気エンジニアと機械エンジニアのスキルをあわせ持つメカトロニクス・エンジニアが活躍するなど、従来型ビジネスの分野でも新たな専門スキルが採用要件に付加されるケースも散見されます。人事では人事ビジネスパートナー(HRBP)、財務ではフィナンシャル・プランニング&アナリシス(FP&A)、商工業・金融サービスではデータアナリストなど課題発見・解決能力と戦略的な判断を用いて組織とビジネスの成長に貢献する人材に対しても需要が伸びています。東京都の有効求人倍率は2倍強ですが、こうした専門性の高い仕事や新興分野の仕事では4~5倍と需要が高く、英語・日本語の2言語を使いこなせるバイリンガル人材に対する需要は、更にその数倍にも上る状況にあります。
フィンテック、メディテック、HRテック、不動産テック、アグリテックなど、昨年後期に続いて2017年も「○○テック」という言葉の普及をともなって最新IT技術の実用化が広範な業界で広がっています。また、オリンピック開催に向けたITセキュリティ対策の加速も目立ちます。これにともない足元ではAI、IoT技術の実用化を担えるエンジニアと、その技術を国内外に売り込める営業スペシャリストが圧倒的に不足しています。先述のような新興分野では、これまでに無かった新しい仕事が生まれています。
ポテンシャル採用など将来を見据えた中途採用とは別に、ビジネス拡大、新領域への参入を目的に即戦力を求める中途採用では経験値と専門スキルが十分な中堅・シニア層の採用が成立するケースが少なくありません。新興分野のIT技術職などを除いては40歳以下の人材プールでは企業が求めているスキルに対して十分な候補者が見つからないといった要因だけでなく、需給バランスの関係で売り手市場化が浸透していることから40歳以上の転職に対して企業が寛容になっていることが分かります。こうした中堅・シニアレベルの専門人材には専門性の高さと豊富な経験値が要求され、技術系・財務・営業などといった専門スキルに加えてマネジメント能力も重要視されています。
英語・日本語の両言語に堪能で専門性を備えたグローバル人材への引き合いはさらに強まっています。求められるスキルセットを持ち合わせた人材の供給が需要に満たないことから、こういった人材が転職内定時に提示される給与額が平均10~15%ほど前職時に比べて高くなっています。テクノロジーをともなう新興分野などでは20~25%に達するケースもあります。さらには在宅勤務・研修制度の充実・評価基準の改変など働き方に関するメリットを訴求して求人応募者を集めようと試みる企業も増えています。この動きは2018年以降もさらに広がるものと予想されます。
調査結果をまとめた給与調査2018(冊子)は、日本語版、英語版の2言語で希望者に無料で配布します。さらにオンライン版も同日よりrobertwalters.co.jp にて公開します。
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