グローバル人材 採用動向レポート│営業・マーケティング
2020年に東京オリンピックを控え、エンターテイメント・旅行・ホスピタリティ業界のプロフェッショナルの需要が高まると予想されます。小売業界では事業拡大のため営業職の需要が高まり、英語と中国語を話すスペシャリストの需要が一段と強まるでしょう。また、オンライン販売チャネルが売上増加の重要なツールとなってきているため、企業のオンラインマーケティングへの投資に伴い、SNSやウェブサイト開発に精通したデジタルマーケティングやITのプロフェッショナル需要も高まるでしょう
メディカル
日本の医療機器市場への外資系企業の参入増に伴い、ゼネラルマネージャーレベルの人材に加えて、スタートアップ、薬事(RA)、品質保証(QA)の業務経験のあるプロフェッショナルの需要が引き続き高まりました。加えて企業からは、英語が堪能で戦略的発想ができる候補者を求める声が強まりました。患者のニーズの変化につれて、製品の人気が移り変わるとともに求人市場も変化し、画期的なハイエンド製品を製造する企業を志望する候補者が増えました。その結果、日本市場に参入して間もない、最先端の製品を持つ外資系のスタートアップ企業へ応募する候補者が増えました。
製薬
中枢神経系(CNS)、癌、免疫、稀少疾患、メディカルアフェアーズなどの領域で、高い需要が続きました。製薬企業と医薬品販売業務受託機関(CSO)の双方で、未経験のメディカルサイエンスリエゾン(MSL)を採用する傾向は、2017 年も続くでしょう。また、確固とした科学的知識が求められる職種である医師やメディカルアフェアーズのプロフェッショナルの給与が上昇する見込みです。
大阪では、医薬品開発・販売業務受託機関(CRO、CSO)で技術系人材や医薬情報担当者(MR)、営業担当者の需要が旺盛で、ジェネリック医薬品製造企業や製薬企業でも優秀な候補者の採用需要があるでしょう。
消費財・FMCG
2017年は、企業が市場シェアの拡大に取り組むなかで、バイリンガルの営業・マーケティング人材のニーズがあらゆるレベルのポジションで高まるでしょう。グローバルに事業展開するメーカー・小売企業の日本市場参入に伴い、カントリーマネージャーのポジションに就く人材も求められるでしょう。また小売店との緊密な関係構築の必要性から、メーカーが新たに顧客向けマーケティングチームを設置する動きもあります。
リテール・ホスピタリティ
訪日観光客数は2016年も高水準で推移しましたが、観光客の支出減が小売業の打撃となりました。日本人消費者の支出は安定的に推移したものの、特に高級品小売業者が売上減少に苦しみました。ただ、英語と中国語を話す小売や営業のプロフェッショナルの需要は依然として高く、事業拡大と新店舗の開店のため、あらゆるレベルのポジションで小売のプロフェッショナルへのニーズが増加しました。
デジタル・オンライン
グローバルブランドや、旅行・ホスピタリティ業界の拡大により、オンライン決済技術や、堅牢な E コマースプラットフォームを備え最適化されたウェブサイトなど、サービスの自動化ニーズが高まりました。加えて、広告代理店ではクライアントのニーズに応えるためサービスの多様化が進んだことから、優秀な人材を求め積極的に採用を行いました。
2017 年は、フィンテックとオンライン / モバイル決済ソリューションにとって重要な年となるでしょう。西日本では、給与水準が低いことからウェブ企業の進出が続きました。
IT ソフトウェア
2016 年はマーケティングおよびダイレクトセールスのプロフェッショナルの需要が高まり、これらの優秀な人材確保のため、給与の上積みをする企業が目立ちました。クラウドベースのソフトウェアが法人用アプリケーションにおける実質的なスタンダードとなるなか、最新メッセージの配信と顧客市場アクセス実現の必要性を背景に、採用ニーズが高まりました。市場成長を支えるため、企業は2017年も新たな人材への投資を一段と加速させるでしょう。また、サービス配信モデルとしてのソフトウェアを支援するため、コンサルティングや事業開発のポジションを新設する動きがみられています。
IT インフラ・サービス
2016 年も、バイリンガルの営業、マーケティング職の人材をめぐり激しい競争が続きました。特にクラウド、サイバーセキュリティ、フィンテック分野での営業スキルを持つ候補者は、複数の内定をもらい大幅な昇給を実現しました。ハードウェア会社がビジネスインテリジェンスのスペシャリストを採用するなど、他業界からバイリンガルの営業、マーケティングのプロフェッショナルを採用する企業も現れました。企業が、職務要件を完全に満たす候補者を待ち続けるより、新たな人材を採用・教育する姿勢となってきていることが分かります。
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