デジタル世代必見!「ベテランになるには最低10,000時間」は本当?

AI、ロボット、IoTなどのテクノロジーが進み、グローバル化が加速する日本では、どんな分野のスペシャリストでもプログラミング、英語、統計学のどれかを新たに習得することで転職を有利に運べるといわれています。新しいことに挑戦する際に最近よく耳にするのが、知識・能力を習得して自分のものにするまでには最低10,000時間を要するという話です。少々ハードルが高く感じてしまう方も少なくないのではという思いから、真相を探ってみました。
「1万時間の法則」とは、フロリダ州立大学の心理学者エリクソン教授の研究から導き出されたもので、スポーツ、チェス、音楽のトッププレイヤーらがその秀逸な技術を得るまでに1万時間あまりの時間を費やしていたという調査結果に基づいています。資格取得用の勉強にかかる時間にこの法則を応用するのは、トッププレイヤーになるのとは少しレベル感が異なることから相応しくないかもしれません。
「スキルの習得」は20時間を目標にスタート
では、そこそこのレベルのスキルを身につけるためには、どれほどの時間と準備が必要なのでしょうか。アメリカの有名作家ジョシュ・カウフマン氏は、「新しいスキルの習得に必要な時間は20時間だ」と発言しています。新しいスキルを身につけたい場合は「自分が到達したいレベル」を予め設定し、「今の自分に不足しているスキル」を抽出して勉強してみるのがいいのだそうです。また、勉強を習慣化することで多様なスキルアップに繋がります。まずは「20時間」を目指せばハードルが高すぎず新しいスキルの習得に挑戦しやすいのではないでしょうか。
若手社員はデジタル力と「1万時間」の組み合わせでベテランに!
「1万時間の法則」が示す時間数とは平日8時間/日×5年弱に相当する時間ですので、「仕事で一人前になるためにかかる時間」に例えると、「なるほど」と頷かれる方も多いのではないでしょうか。知識だけは勉強や短時間のリサーチでも習得できるとして、一つひとつの業務を円滑に効率的にこなせるようになり、さらには成果・結果を追求しミッションを達成できる「ベテラン」のレベルに達するまでには時間がかかります。「5年相当の実地経験」がひとつの目安と言えるでしょう。デジタル世代は文字通りのデジタルネイティブで、Webサーチによる情報収集と分析が得意と言われています。情報収集と分析力を生かして常に最新情報をインプットし続けられることはビジネスにおいても不可欠な有用なスキルです。そのスキルと経験の両方が備わることでビジネスの場における即戦力となれるはずです。