採用・転職市場動向2026:エネルギー、インフラ
2025年にエネルギー・インフラ分野で見られたマクロ経済的なトレンドは、2026年にも継続しています。従来の産業に加え、データセンター運営やBESS(蓄電池システム)、エネルギートレーディングなどの新興分野における求人件数が全体的に増加しています。これらのニッチセグメントの成長に加え、政治的・経済的な要因が人材投資を後押ししていることもあり、求人件数は増加傾向にあります。しかしながら、雇用主側では候補者選定基準がより厳格化する傾向が見られます。
一方で、候補者側の活動も活発化しており、需要の高いプロフェッショナルは複数のオファーを同時に検討するケースが増えています。
新興分野が優秀な人材への需要を牽引
BESS、データセンター、エネルギートレーディングといった成長分野では、引き続き優秀なプロフェッショナルへの需要が高まると予想されます。日本市場に参入する外国系スタートアップ企業も増加しており、市場で成功するために優秀なローカル人材を迅速に採用しようとしています。特に需要が高いポジションとしては、第2種電気主任技術者資格を持つ技術者、第1種電気工事施工管理技士、およびプロジェクトマネジメント経験者が挙げられます。また、短期電力取引やエネルギー予測(気象学)、ニッチなスキルセットを持つシニアビジネス/エンジニアリングマネジメント職では深刻な人材不足が続いており、一部の外資系企業では日本語能力を問わず採用するケースも見受けられます。
複数の企業が優秀な人材確保を目指して競争を繰り広げている中で、人材獲得競争はさらに激化すると考えられます。そのため、多くの企業にとって従業員の定着率向上が重要な課題となっています。特にデータセンター分野では、かつては小規模なニッチ市場だったものが現在では大きな産業セグメントへと成長しており、他社からより魅力的な条件を提示された場合、転職を決断する可能性も高まっています。
長期的コミットメントと本社との連携強化
2025年には、この業界で転職した候補者の給与増加率は15~20%でした。2026年も給与水準は緩やかに上昇しており、とりわけデータセンター、BESS、エネルギートレーディングなど競争が激しい成長分野では顕著な増加が見込まれます。
給与増加以外にも、新しい雇用先を検討する際には「長期的な安定性」が候補者にとって重要な関心事となっています。過去には、政府政策や投資環境が好調だった時期に日本市場へ参入した外資系企業が、市場競争の激化によって撤退した事例もあり、それを懸念するプロフェッショナルも少なくありません。そのため、海外拠点を持つ企業、特にスタートアップは、自社が日本市場で成功し、長期的に事業を継続できることを候補者に説明する必要があります。会社の長期計画について明確に伝え、堅実なプロジェクトパイプラインを整備し、それらを成功裏に遂行している実績を示すことが鍵となるでしょう。
より経験豊富な人材を惹きつけ定着させるためには、金銭的インセンティブだけでなく、キャリア開発の機会を提供することも重要です。単なる給与アップだけでなく、「成長」や「戦略的影響」を与えられる役割としてポジションを提示することで、高度な人材を惹きつけることができます。
また、日本国内チームとグローバル本社間のコミュニケーション強化も欠かせません。ただ単純な報告や会議だけでは不十分で、本社側は日本特有の課題について理解し、それらへの積極的なサポート体制を示す必要があります。例えばデータセンター分野では、本社と現地チーム間で目標や現実との乖離が生じた結果、人材定着率や企業全体の評判が損なわれ、新たな候補者獲得にも悪影響を及ぼすケースがあります。このような課題に対応することで、採用力強化につながるでしょう。
この分野の給与相場・市場動向に関して詳しく知りたい場合は、給与調査ガイド2026(PDF)をご覧ください。
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Kai Yamada
エネルギー, 東京
Kaiは、2018年にロバート・ウォルターズに入社。入社後、エネルギー&インフラ部門の採用・転職サポート専門とし、現在は、エンジニアリング職に特化した採用・転職サポートを行っています。
Kerri Chen
エネルギー, 東京
Kerriは、2016年にロバート・ウォルターズに入社。シンガポールと日本で10年以上のリクルート経験があります。エネルギー・インフラ分野に特化し、ミドルからシニアレベルのポジションで高い実績をあげています。