インタビュー「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を乗り越えて」

アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)を乗り越えて

ロバート・ウォルターズ・ジャパン 法務・コンプライアンス&リスク・人事チーム ディレクター
磯井 麻由

MBAホルダーの磯井 麻由は、外資系の大手証券会社などでの勤務を経て、2012年にロバート・ウォルターズ・ジャパンに入社。現在は法務・コンプライアンス&リスク・人事分野の人材紹介/転職サポートを統括するアソシエートディレクターとして、性別、年齢、国籍などダイバーシティ(多様性)に富んだ5つのチームを束ねています。

マイノリティとして海外で働いた経験はありながらも、今のマネジメントスタイルにたどり着くまでは、「女性で年下」なことを理由に自分の中でアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)のような先入観を抱き、悩んだこともあったといいます。その結果、自分の手で築いた「助ける」というユニークなリーダーシップの形と、その過程で自信の源になったというメンタープログラムについて話を聞きました。

管理職に選任された当初のチャレンジは?

マネージャー職に就いた当初はリーダーシップの在り方に悩み、模索しました。振り返ると「女性で、年下だから」という先入観を自ら植え付けてしまっていたように思います。男性や年上の部下と関わる際には「女性だから感情的になる」「年下なのに偉そうな態度で振舞う」と思われてしまうことを勝手に恐れて、リーダーシップを執ることに気後れした時期もありました。

そのチャレンジに、前向きに取り組もうと決めたきっかけは?

メンタープログラムをきっかけに部下を含め周囲からのフィードバックを積極的に求めるようにしました。率直なフィードバックを通じてまず分かったのは悩みの原因だった「女性で、年下だから」というアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)は自分が勝手に描いていた先入観んで、誰一人としてそういう風に私をみている部下はいなかったこと。コミュニケーションの重要性を改めて実感し、性別や年齢という固定観念にとらわれない「相談役」のようなリーダーを志そうという考えに辿り着きました。当社ではトレーニング、メンタープログラムなどキャリア形成を支援する工夫が凝らされています。ですので、部下に対して道を示して導く必要はないのではと思いつき、導くだけがマネジャーの在り方ではないのだと気がつきました。

きっかけになったというメンタープログラム。どんな面が役立ったのですか?

ダイバーシティ経営に詳しい上司が、メンタープログラムを勧めてくれました。私は年上の男性で自分とは全く違うバックグラウンドを持つ先輩をメンターに選びました。メンタープログラムでは仕事上の悩みやキャリア展望などを相談できますが、私の場合はその男性メンターにランチや就業時間後に時間をもらい、マネジャーとしての在り方について相談に乗ってもらったおかげで、自分では気になっていた性別・年齢という固定観念を取り除くことができました。

メンタープログラムについてさらに知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
メンター制度を企業が導入する目的、メリット・デメリットとは?

磯井さんが築いてきたリーダーシップの形とは?

時間をかけて確立してきたのは「助ける」という私なりのマネージメントスタイルです。先ず自らが動いて背中を見せること。メンバーそれぞれが結果を出しやすい環境を整えてあげること。結果が出せずに気負いしているスタッフには寄り添い、結果を出せているスタッフは業務に集中できるよう邪魔をしないこと。その積み重ねが実を結び、自分の率いるチームから多数の成績優秀者を輩出できるようになりました。

女性リーダーとして大切にしていることは?

仕事をする上では常に「公平」でいられるように心がけています。例えば女性社員が昇進したときに「自分は女性活躍推進の一環で優遇された」とは感じて欲しくありませんし、反対に「女性の自分にはチャンスがないだろう/難しいだろう」という先入観で諦めるようなことが無いようにサポートすることを大切にしています。年齢・性別・国籍などのバックグラウンドに関係なく、誰にでも平等に機会が与えられるよう配慮しています。

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