【IT業界】グローバル人材 採用動向レポート 2019

Tytuł obrazka

IT業界

ITベンダー/コンサルティング

ITベンダー、コンサルティングファームでは増員が広がり、求人数は大きく伸びています。あらゆる産業で先進技術の活用が進み、2018年はAI/ビッグデータ関連のプロジェクト、デジタルトランスフォーメーションの需要が特に高まりました。

数年前からAIやビッグデータが話題に上がっていながら、当時は求人・採用まではほとんど見られなかったのに対し、ビジネス需要が鮮明になったことを受けて2018年はAIやオートメーションに携わるエンジニアの求人が急激に増えました。採用活動もその活発さを日々増しています。かつては日常業務をサポートするツールだったITの役割が、ビジネスを牽引する役割に変化しています。自動車・製薬など製造業では従来のものづくりに付加価値を生み出すためにAI技術を取り入れるなどITの活用を進めています。従来の製品やビジネスに付加価値を打ち出すという概念が各社を競わせています。AI・ビッグデータ、クラウドはいずれもこれを実現するのに欠かせないため人材獲得競争は激しさを増しています。

RPAに特化したITベンダーの新規参入も目立ちます。なかには日系企業のRPAに特化した外資系企業も複数あり、プロジェクトマネジャー、エンジニア、コンサルタント、プリセールスなど職種に限らず求人があります。AI技術をソリューションに組み込んだRPAを除いては、経験・スキルセットの基準も比較的高くないため、Java/C++言語などを扱えるエンジニアを中心に採用数が伸び、2019年も採用市場の活況は続く見込みです。

給与相場も上がっています。テクノロジー人材では給与額だけが転職の決め手ではないと話す候補者も少なくありませんが、2018年は特に大幅な年収増に合意して採用・転職したケースが増えました。前職の給与額を基準にオファーする年収を定めるのではなく、スキル・経験をもとに人材の価値を正当に評価する動きが広がっています。転17職時の年収増率は10〜15%(前職比)が中央値となっていますが、2018年には転職で40%以上年収が増えるケースも見られました。

AI/ビッグデータ、クラウド領域の優秀な候補者の場合、転職活動をはじめると平均3〜5社から内定を受ける傾向にあります。自動車などの製造業や金融業など異業種でも機械学習エンジニアの求人が増えています。この領域の人材争奪戦に加わる業種も増えているため、2019年もスピード感のある審査・採用プロセスへの重要度が一層高まるでしょう。またIT人材の多くはワークライフバランスなどの柔軟な働き方だけでなく、業務を通じて新しい技術に深く関われるか否か、研鑽を積める環境が整っているかも重要視します。そのため旧来型の面接ではなく、経営戦略・プロジェクトの内容・トレーニングなどを十分に売り込める企業は採用活動を有利に進められている傾向があります。

金融

金融機関でのIT人材の採用活動は活発な状況が続いており、2018年は仮想通貨ビジネスへの参入が増えたことで新たな人材の動きも見られました。保険業界以外では開発者の採用を中心に外国人雇用も従来より多く見られました。特に目立つのは、技術力が高ければ日本語力がビジネスレベルに満たなくとも採用されるケースの増加です。仮想通貨ビジネスや、ブロックチェーン技術を用いたビジネスなど、フィンテック事業に注目が集まり、金融業界はその市場構造を変えつつあります。人材需要にも変化が広がっています。2018年は特にアプリケーションなどの開発者、データサイエンティスト、クラウドプラットフォームエンジニア、DevOpsの需要が伸びました。バイリンガルの技術者、特にデータサイエンスの知見がある人材に対しては、需給バランスの都合から、転職を決断する際に合意される給与額にも著しい上昇が見られます。

投資銀行・証券会社でのIT人材の採用が活発です。数年前にリージョン機能のいくつかを香港・シンガポールに集約した企業でも、賃料などの事業コストやビジネス現場との距離感の改善を求め、集約された機能・ヘッドカウントのいくつかを日本に戻す動きが見られます。

保険分野では保険金・給付金請求プロセスのデジタル化が進むにつれて、Web/モバイル領域の求人が増えています。かつての書類処理をモバイル端末などでのデジタル処理へと転換するデジタルトランスフォーメーションを担う人材として、クラウドプラットフォームエンジニア、アプリケーションを開発するモバイルエンジニア、Webエンジニアの増員が多く、スキルの高い人材への需要が高まっています。さらに2018年はマーケティング部・戦略室などの情報源としてビッグデータを扱うポジションの求人でも、スキル・経験を備えた優秀な候補者に対して破格ともいえる高い給与水準が提示されるなど、人材争奪戦の激しさが目立ちました。

フィンテック企業から出るIT人材の求人は主に開発者の求人です。金融ビジネスを扱い経営幹部にも銀行・証券出身者が多いため、金融出身者の採用を好む傾向があります。同時にアプリケーションなどの開発者はビジネス成功の鍵を握る重要なポジションのため、各社は業界他社よりも技術の優れた人材を確保したい考えを示しています。しかし金融大手の給与水準は異業種に比べ格段に高いため、金融機関に適う年収を内定時に提示できる体力があるか問われるケースも出始めています。大半が日系スタートアップのため、英語力を問わないことも珍しくありませんが、国内の第一線で活躍する開発者には、海外の大学で開発/統計学を学んだなどのグローバル人材が多いため、英語必須でなくとも採用難度自体は下がっていないのが現状です。

最新のWeb開発技術を持ったWebエンジニアの仕事は歴史も浅く、ディレクターなどの上層部でも「業務経験10年以上」といった従来の日本的な採用条件は適さないため人材プールの中心年齢は20~30代後半です。さらに日本語・英語の両方が扱えるバイリンガル人材となると、人材の数は非常に限られます。そのため開発職では日本語力に対する条件緩和も進み、日本語が扱えない外国人の採用も増え始めています。2018年はこれまで以上に転職決断時に合意される給与相場の高騰が目立ちました。その背景には、かつてサービス/オペレーション中心だったIT人材の役割の変化と、それにともなう異業種からの人材移動・人材の希少性が見られました。前出の開発人材などゲーム業界、オンライン業界などの異業種から金融機関へ転職したケースでは、前職に比べて40%年収が上がった候補者もいたほか、日系証券会社から外資系証券会社への転職でも大きく年収が伸びました。2018年に転職が決まった候補者は、転職で概ね10〜40%年収が上がりました。銀行・証券に限ると伸び幅は25〜40%に上ります。人材の希少性の高さから、カウンターオファーを提示する企業も従来より増えています。カウンターオファーでは内定企業よりも高い給与額と昇格が約束されるなど待遇面が大きく改善されるため、新しい環境に身を移す必要性が薄まりかねません。そのため確実に確保したい人材にはカウンターオファーに屈さない程度(30%前後)の年収増を提示することが有効です。

商工業

各社のIT部門の業務は従来のオペレーション中心から事業を牽引するためのプロジェクトへと切り替わっています。2019年はデータ集約・分析・利活用の拡大をともないさらにこの兆しが色濃くなるでしょう。これにともなってデータサイエンス、デジタルトランスフォーメーション、Eコマース、サイバーセキュリティーの需要は高まり、それらを担える人材への引き合いはさらに強まると予想されます。ヘルプデスク、インフラエンジニアといった従来のポジション求人でもデジタルトランスフォーメーションの経験が要求されているほか、デジタルマネジャー、デジタルアナリストといったポジションを設ける会社も目立ちます。データサイエンティスト、Eコマースマネジャー/スペシャリストへの需要も高止まりの状態が続いています。2018年は小売業を中心にBtoCビジネス全般で情報漏えいの危険性への意識が高まり、サイバーセキュリティを含む情報セキュリティ領域の求人も急増しました。金融・製薬など規制の厳しい分野に18比べて体制づくりの面では出遅れ気味だった一方で、それらと同程度の個人情報を保有しているためセキュリティ体制強化に踏み込んだことが背景のようです。

かつては各社のIT部門業務は日々のサポート、メンテナンスが中心でヘルプデスク、インフラエンジニアが求人の大半を占めていたのに対し、最近ではサポート/メンテナンスのスキル/経験のみで対応できる求人が少なくなっています。IT部門の職責が分析をともなうソリューションへとシフトしているため、それに応えるスキルを身につけようと、データサイエンス、デジタルトランスフォーメーション、デジタルマーケティング、Eコマースなど現職での実務とは関わりのない領域を学ぶ候補者も増えています。

2019年に最も高い需要が予想されるのはデータサイエンティスト、デジタルマネジャーです。テクノロジーを用いてビジネスを推し進められる人材の需給は逼迫し続けているなか、日本語と英語を扱えるバイリンガルの人材ともなると供給数は更に限られます。ROPO(リサーチ/オンライン/パーチェス/オフライン)という新たな消費行動も広がりをみせており、小売業を中心にBtoCビジネス全般でもデジタル人材への高い需要が続くでしょう。

優秀な人材は同時に4〜5件の採用オファーを受ける傾向にあるため、競争力の高い給与額もとより、勤務条件にも柔軟な姿勢を示すなど一歩先に踏み込むことで、競合を引き離しやすくなっています。自社の成長性や携われる仕事の面白さと、習得できるスキルの将来性、社内でのキャリアパスなどを明確に示し、候補者に売り込むことで他社よりも優位に立つことができます。勤務条件については、深夜の電話会議対応後は遅く出社できるといったフレックスタイムが人気を集めています。

給与水準も上がっています。内定時には現職よりも10〜15%高い給与額を提示されているケースが多くなっいます。優秀な人材を確保するために例外的に高い給与を提示するケースも見られます。ITはかつての運営ツールとしての役割から、製造・営業など同等にビジネスを牽引し経営に貢献する役割へとシフトしています。各社は、市場での競争力を高めようとデータサイエンス、デジタルといった最先端技術の確保と活用に余念がありません。そのため、2019年には専門人材の給与相場は過去最高レベルの伸び幅に達することが見込まれます。

関西でも、ビッグデータを扱うデータサイエンティスト、データアナリストの人材需要は高く、産業にかかわらずデータ関連のスペシャリストの採用を強化する企業が増えています。

オンライン

2018年はオンライン業界の活況にともなって、大手企業からスタートアップ企業まで採用が活発でした。求人は若手層から上層部までほぼすべての人材層が出揃い、特にEコマース分野は求人数は例年を大きく上回りました。ビッグデータ、自然言語処理の領域の専門人材の採用が特に多く見られました。

リテール(小売)に対してEテールという言葉も生まれるほど、Eコマースの勢いが強まっています。メーカーから実店舗を通じて顧客・消費者へと流通していた従来の買い物の様式は、メーカーからEコマースのプラットフォームなどを介して購入する消費者の急増を受けて、変化を遂げています。デジタルテクノロジー企業の多くは、ビジネス好調と成長性を理由にデータ人材などを増員して体制を強化したり、新規事業を立ち上げるなどビジネス拡大に向けた投資に積極的です。

特にAI、機械学習、ビッグデータ、データ分析の領域を強化したい企業が多く、2018年はこの領域の求人が急増しました。人材需給は逼迫しているため採用難度は2019年も下がらないものと予感します。

オープンソースデベロッパー、モバイルデベロッパー、フルスタック/フロントエンドエンジニアの求人は引き続き多く、採用も活発ですが、経験・スキルに従来以上に高レベルを求める企業が増えています。勤務時間外を活用して個人のプロジェクトを進め、オープンソースとして公開するなど、積極的に自らの開発スキルを磨くプロフェッショナルへの需要は特に高く、優遇を受けて採用されています。

オンライン分野でも英語・日本語の2言語が扱えるバイリンガル人材への引き合いは年々強まっています。バイリンガルのエンジニアに対する需要は、2019年も高止まりが続くでしょう。将来を担う若手〜中堅層の求人数は2018年と同水準を保つ、または2018年を上回る可能性もあります。

一方、デベロッパーの採用では、日本語力よりも技術力が優先される傾向も前年までに比べて強くなっています。専門人材を確実に確保したい考えから、日本語力を問わずに外国人を含めて採用しています。

希少性が鮮明なAI人材、データ人材はもとよりオンライン分野のスペシャリストの不足は顕著で、採用環境は圧倒的な売り手市場が続いています。候補者の間でも自らの希少価値に対する理解が深まり、2018年の採用現場では候補者の強気姿勢が目立ちました。そのため各社は競争力のある給与額を提示しています。引き合いの強いスペシャリストの採用では、候補者の年収をもとに提示額を決める企業よりも、候補者のスキル・経験に相応しい給与額を提示できている企業の方が人材獲得競争を有利に運べています。また、フレックス、リモートワーク、在宅勤務などの制度を持つなど、社員の働き方に対して柔軟な姿勢を示す企業は候補者の人気を集めやすくなっています。

契約・派遣:インフラ&サービス

外資系企業、グローバルビジネスの拡大に積極的な国内企業では契約・派遣採用が活発です。日本語・英語の2ヵ国語に堪能なハイスキル人材の需要が高く、クラウド領域を中心にバイリンガル/エンジニアの採用が安定的に増えています。日系スタートアップ企業の採用では、オフショア先(海外)の担当者との連携を担えるバイリンガル人材が大部分を占め、ビジネスの将来を担えるバイリンガルの若手人材を正社員候補として積極的に採用する動きも見られます。2018年は、前年のビジネスの好調を受けて採用予算を増し、人材投資に積極的に乗り出す企業が多くありました。

経営統合(M&A)にともなうシステム統合需要が増えました。人材獲得競争の都合でシステム統合のプロジェクトに従事する十分な数のエンジニアを確保できない企業が増え、人材需給バランスの都合から時給が急速に伸びています。2018年のプロジェクト採用では10〜15%増(前年比)と時給が1年で大幅に上がったポジションもありました。派遣法の改正への対応も関与し、優秀な派遣社員を長期的に確保したいという考えから契約社員に登用する企業も増えています。

産業に関わらず先端テクノロジーの導入が進んでいます。2016〜2018年の準備期から、2018年は実用期に移行し、保険業を例にとると、かつてない数のIT商品/サービスが発表されています。他業界でもスマートフォン(スマホ)/タブレットを用いたIoTが広がっています。優秀な人材を巡る獲得競争の激化に対し人材数が圧倒的に少ないため、確実に十分な数のスキル人材を確保するための工夫として、2018年は派遣・有期契約・業務委託のうち人材側の希望にあわせて柔軟に雇用形態を決める会社が増えています。これは人材の流動化を後押しし、活発な採用活動へとつながっています。

外資系企業では海外拠点・グループ本社の水準に合わせて先進技術の導入レベルを引き上げたい考えから、特定の商品知識を持つクラウドインフラエンジニアの採用を増やすことが見込まれるため、2019年もこの人材需要はさらに高まるでしょう。次世代セキュリティインフラ技術の普及が進めば、ネットワークセキュリティ商品の知識を持つバイリンガル/エンジニアの確保が急務となるため、需給バランスの都合から、採用環境は一層厳しくなるでしょう。

また、GDPRの流れを受けて個人情報保護の機運が高まるなか、オリンピック開催に向けて先進技術の導入も加速しています。そのため、バイリンガルのネットワークセキュリティスペシャリスト、情報セキュリティスペシャリストの需要は2019年も続伸が見込まれます。

より秀逸な人材を獲得するために、採用予算の確保に積極的な姿勢を示す企業が増えています。最近では豊富な経験に基づいた深い見識の貴重さに注目が集まり、50代のシニア人材の活用を見直す企業も増えています。こうした発想の転換と工夫は2019年も更に広まることが予想されます。

契約・派遣:ビジネスソリューション

プロジェクトベースでの採用需要が続伸しています。多くはスタートアップなどの中小企業です。ニッチな技術を求める求人が多く、雇用主/候補者の双方にとって都合が良いことから紹介予定派遣の雇用形態での採用が大半を占めます。紹介予定派遣の場合、職場環境/企業文化/仕事の進め方/価値観などの面で正社員採用の前に相性を確かめることができるため、IT/オンラインの領域では、雇用主だけでなく労働者側からも好まれる傾向があります。

2018年は採用の活発さに加えて、前年比20%増、特に高いケースでは40%増といった大幅な時給の上昇が目立ちました。求人数に対して人材数が圧倒的に少ない需給バランスが原因ですが、特定の専門性(経験・スキル)を有した人材の需給逼迫はさらに顕著なため、競合他社に優秀な人材の確保で遅れを取りたくない企業が採用予算の引き上げに踏み切ったものと考えられます。

機械学習/ビッグデータのプロフェッショナルへの求人が急増していますが、当社では2019年もこの動きがさらに高まるものと予感します。従来は日本語力必須の求人が大多数を占めましたが、専門人材を確実に確保したい考えから、こうした求人を出している企業の多くは日本語力を問わずに外国人を含めて採用しています。

2019年は日本語だけでなく英語も扱えるバイリンガルの開発者の需要が全面的に高まるでしょう。国内のIT・オンライン業界では、ネイティブレベルの日本語力を持ちながら、ビジネスレベル以上の英語を扱える開発者の需要は高止まりが続いています。しかし、採用を決める際に、日本語力よりも技術力が優先される傾向が前年までに比べて強くなっています。その結果、海外在住の人材にも目を向けて採用を試みる会社が増えています。

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