インタビュー「男性リーダーが挑む女性活躍推進」

インタビュー「男性リーダーが挑む女性活躍推進」

ロバート・ウォルターズ・ジャパン
テック&トランスフォーメーション部門
ディレクター
ベッゾルド友和

IT業界、デジタル分野のスキル人材採用・転職サービスを統括するベッゾルド友和に、男性リーダーが女性活躍に本気で取り組む意義を聞きました。ディレクターに就任したその年から数年かけて取り組んできた女性コンサルタントの採用と、その波及効果とは?

IT業界では、ダイバーシティに富んだ組織をつくりたいという会社が増えていますがーー。

正直にいうと、IT業界の採用・転職支援を専門とする私のチームは、社内で最もジェンダーバランスが悪い部署です。8年ほど前に、私がディレクターに就いた時点で、部署内の女性コンサルタントは1名だけでした。その頃から、使命感を持って対応に当たってきました。テクノロジー分野そのものへのイメージも一因だと思います。私の部署ではテクノロジー人材の採用・転職支援をしていますが、テクノロジー業界自体が女性の採用に苦戦していますし、更にもとをたどれば、STEM教育を望む女性や理系女子は男性に比べて少ないーー。クライアントと同じ課題に私たち自身も立ち向かっているということになりますから、女性のコンサルタント候補者と面接する際にはあえて積極的にこの話をするようにしています。

女性コンサルタント採用成功の糸口は何だったのでしょうか?

まずは問題意識を持つこと、そして、男性ばかりのマネジャーたちにその問題意識を浸透させることから取り組みました。そもそもマネジャー陣が全員男性だったことも一つの課題でした。長期的解決も視野に入れて、早々に女性を採用しなければいけないという話をしました。女性を採用することそのものが、解決の糸口になるのではと思っていましたから。採用活動や面接でも、男性に狙いを絞っているわけではなかったのですが、女性がチームに加わっていないという結果もまた現実でした。

女性を採用できていない原因を突き止めたくて、マネジャーたちと膝を突き合わせて話しました。そこで挙がったのが、当時のチームそのものの女性比率が乏しいことでした。当社では採用審査中に、候補者が複数の部署と面接します。「女性はチームに何人いるのか、女性のマネジャーは何人か」と面接で質問すれば、私の部署が最も女性コンサルタント数に乏しいことはすぐにわかってしまいます。ですから、そもそも部署内に女性コンサルタントを増やさなければいけないこと、そして成長・成功を経て管理職に就いている女性リーダーが増えていかなければならないこと、そうした課題を俎上に載せ続けることが大切だと思ったのです。

それが功を奏してか、1人、2人と女性コンサルタントの採用に成功し始めて、10年近くかけて部署の25%を女性が占めるまでに改善して来ました。女性コンサルタントの採用プロセスには、部署で活躍中の先輩女性たちとのランチやラウンドテーブルを設けるようにしています。現役の女性コンサルタントたちが「今のうちに好きなだけ本音で質問して」と声をかけているようで、男性の私やマネジャー陣には分からない不安も解決でき、安心して入社してもらえるようになりました。こうして長年の取り組みが結実している様子に触れられるのは、とても嬉しいことです。

テクノロジー業界の採用コンサルタントというと、女性に敬遠されそうですが。具体的に、何か工夫していることはありますか?

期待値を明確に示すようにしています。

例えば、テクノロジー業界の採用支援をするからといって、テクノロジー分野のバックグラウンドを持つ人材だけを採用したいわけではないことも言葉に出して説明しています。入社後にテクノロジーについて教えるのも私たちの仕事だと思っていますし、実際にこれまでに採用したコンサルタントに対しても、男性・女性に隔てなく、テクノロジー業界やテクノロジー関連職の仕事内容についてトレーニングを施してきました。候補者一人ひとりと話をして、トレーニングを施すつもりでいること、テクノロジーの知識・スキルを持っていることを前提に採用しようとはしていないことを説明するなどして心配・障害を取り除くように心がけています。

人材不足傾向にある日本ですが、優秀な女性候補者を「競り勝つ」ためのヒントを教えてください。

女性の活躍をサポートしたい企業が増えるなか、優秀な女性エンジニアを巡る競争はテクノロジー業界でも常態化しています。

当社の採用でも、どの部署に配属されたいかを候補者が希望する選択権があります。周りには、女性ディレクターのもとで数名の女性マネジャーが素晴らしい功績をおさめている部署もあります。その傍ら、私たちの部署はほぼ男性でしたから。優秀な女性コンサルタント候補者がいたとしても競り負けてしまいます。

2年ほど前に採用した女性コンサルタントとの面接での対話がとても印象強かったので、いまでもよく覚えています。優秀な人材だったので、この候補者の採用を巡って他部署と競っていました。履歴書をみると女性リーダーシップ会議の運営に携わったことが記されていました。女性活躍・女性リーダーシップを大切に考えている候補者だと分かったので、面接が一通り終わったところに行って声をかけました。

「聞いて欲しいことがある」と呼び止めて、自分の部署で女性コンサルタントが不足していること、リーダーシップチームに女性がいないこと、なぜそうなってしまっているのかをオープンに伝えました。その現状を変えるための取り組みついても自分の考えを説明しました。結果的に、その女性候補者は私の部署を希望してくれて、採用に至りました。

私の場合は、抱えている課題と解決に向けて取り組んでいる姿勢を包み隠さず見せられたことが、信頼に繋がったように思います。

ダイバーシティ&インクルージョンの豊かな組織をつくるコツはありますか?

価値観の共有を大切にしています。会社全体もそうですし、チーム全員がダイバーシティ&インクルージョンが生み出す価値に共感していますし、予めダイバーシティ&インクルージョンのマインドを備えている人を採用しています。スピード感や競争関係から来る仕事上のプレッシャーから意見が対立することはあっても、バックグラウンド・文化・価値観・言語を理由にした衝突が起こることは好ましくないですから、そこが混同することがない組織作りを心に留めています。

ダイバーシティは、当社の大事にしているプリンシプルの一つでもあるため、どんなに優秀な候補者でも、多様性を受け入れない閉鎖的な考えを持つ人は、当社では採用しません。入社しても企業文化にフィットしないですし、成功できないと思うからです。既にダイバーシティ&インクルージョンのマインドを持っていて、ダイバーシティ&インクルージョンの価値を知っている人たちを採用しているからこそ、前述のような多様性に起因する衝突が起きる不安がないのだと思います。

女性コンサルタントの採用が進み、主力メンバーとして活躍する女性が増えています。これからも、部内だけでなく社内の女性がさらに躍進できる環境づくりに取り組み続けたいと考えています。

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